吉田ヨウヘイgroup
- メンバー
- 2人
- 掲載している機材
- 63点
サポートメンバーを含む場合があります。
吉田ヨウヘイgroup(よしだようへいグループ)は、吉田ヨウヘイ(ヴォーカル、ギター、サックス)を中心に東京を拠点として活動する日本のバンド。2012年4月の結成で、ジャズとインディー・ロックを下敷きに、管楽器や鍵盤を含むアンサンブルを組み立ててきた。結成期は総勢8人の男女混成編成、2010年代後半は4人編成にサポートを加えた形、2020年代は吉田を軸とした別の顔ぶれというように、時期ごとに編成が大きく入れ替わっているのがこのバンドの成り立ちの特徴になっている。
出発点は吉田ヨウヘイのソロに近い形だった。大学時代からの知り合いだったギターの西田修大が演奏に加わるところから動き出し、吉田が一人ずつ声をかけて人数を増やしていった。バンド名も当初は仮に名乗ったものがそのまま定着したもので、いずれ変えるつもりだったという経緯を吉田自身が説明している。編成はギター、ベース、ドラムに加え、テナー・サックス、キーボード、フルート、ファゴットなどを兼任するメンバーを含む8人組となり、サックスの榎庸介らが名を連ねた。全員が一堂に会したのは2014年1月、レコーディングの2週間前のことで、固定した8人が長く合わせ続けて出来上がったバンドではなく、吉田の書いた曲を軸に人が集まる形で動いていた。
2013年3月に1stアルバム『From Now On』を発表。続いて2014年6月18日、P-VINEから2ndアルバム『Smart Citizen』(PCD-24352)をリリースした。この時期にFUJI ROCK FESTIVALのROOKIE A GO-GOステージにも出演しており、ギターの西田修大は、フジロック出演が決まった2014年にFender Custom Shopのジャズマスターをローンで購入している。
3rdアルバム『paradise lost, it begins』は2015年6月3日、同じくP-VINEから(PCD-24405、全11曲)。4作目の『ar』は2017年11月に発表された。『ar』の制作では、それまでの遠鳴りのドラムから方針を変え、ドラムとベースを初めて同時に録音して、ドラムが前に出るサウンドを軸に据えている。5作目となる『Happiness Comes in Waves』は、『ar』から8年を隔てた2025年8月20日にFRIENDSHIP.からリリースされた全7曲の作品で、先行して「線と光」が2025年7月9日、「Hell or High Water」が2025年7月30日に配信された。収録曲のうち「線と光」「換気」は2019年時点の録音を出発点に再録音されたもので、残りは2024年以降に新たに録音されている。
編成の変遷は活動の節目とほぼ重なる。2016年に一時活動を休止し、同年のうちに再開しているが、この間にレギュラーのリズム隊が離れ、吉田ヨウヘイ、西田修大、reddam(コーラス、キーボード)、クロ(コーラス、トランペット、シンセ)の4人にサポートを加えた体制へ移行した。この4人編成で『ar』を作った後、2019年2月に吉田以外の3人が脱退することが発表され、吉田がバンド名義を引き継ぐ形になった。理由としては、やりたいことや今後の活動をめぐる話し合いの結果、全員で続けるのが難しくなったことが挙げられている。その後、2024年になってドラムの五味俊也との制作が再開し、第二期の録音メンバーは吉田ヨウヘイ(ギター、ラップ・スティール、ヴォーカル)、五味俊也(ドラム、コーラス)、佐藤望(ピアノ、オルガン)、カツオユウスケ(ベース)、白と枝(コーラス)、大石俊太郎(クラリネット、テナー・サックス、アルト・サックス、フルート)という顔ぶれになった。
音楽性は、ジャズの語法を柱に据えつつポップな展開を持たせるところから始まっている。吉田が影響として名を挙げているのはラウンジ・リザーズ、ダーティ・プロジェクターズ、ザ・ナショナル、ベイルートなどで、初期には1960年代のジャズや同時代のブルックリンのバンドと結び付けて紹介されることが多かった。西田はバトルズやレッド・ツェッペリンを、サックスの榎はマイルス・デイヴィスを挙げており、各メンバーの参照点が管楽器と鍵盤とコーラスを重ねたアンサンブルに流れ込んでいる。第二期の『Happiness Comes in Waves』ではアメリカーナや1960〜70年代のフォーキーな音楽の要素が強まり、シンプルなコード進行と輪郭のはっきりしたメロディへ軸足が移った。この変化の背景には、2023年春に腕の不調から左利き用のギターに持ち替えて練習していた時期があり、思うように弾けない制約の中で三和音の響きに向かったという経過がある。腕の状態が改善した後は、通常の持ち方での演奏に戻っている。
機材面では、在籍期のギタリストだった西田修大の使用機材が楽器媒体で詳しく紹介されている。中心となるのはFender Custom Shopのジャズマスターで、ブリッジ周辺とトレモロ、ストリング・ポストをMastery Bridge製に交換し、電装系はYOUSAY SOUNDSによって換装されている。ネルス・クラインにならってピックガードの留めネジを外している点も含め、開放弦やハーモニクスの響きと低域の締まりを重視した仕様になっている。足元はスイッチャーを介さず19台を直列でつないだ構成で、Z.VEX Fuzz FactoryやD*A*M Dope Priestなどのファズ、strymon DIG、Line 6 M9、Empress Effects Reverbといった空間系、Ibanez TS10やHuman Gear VIVACE、BOSS MT-2などの歪み、DigiTech Whammy WH-1、meris Hedra、Red Panda Tensorといったピッチ系が並び、曲中で直接踏み分けられる配置が取られている。
吉田ヨウヘイ側の足元については、Y-UPに、Electro-Harmonix の Deluxe Memory Man と POG2、Pitch Fork、Strymon の blueSky、Crowther Audio の Hot Cake、Sarno Music Solutions の Earth Drive、Xotic の RC Booster、Mad Professor の Snow White Auto Wah、BOSS の DS-1 Distortion と TU-3 Chromatic Tuner といった使用機材が登録されている。ディレイとリバーブ、オクターブ/ピッチ、複数の歪みとブースターという組み合わせは、ギターを厚く鳴らすというよりは、管楽器や鍵盤の隙間に音色を差し込む役回りと結び付けて見ると分かりやすい。第二期では吉田がラップ・スティールも弾いており、フォーキーな曲調に合わせた音色の幅が加わっている。
メンバーの別活動としては、脱退後の西田修大が 君島大空 の合奏形態などギタリストとして各所で演奏を続けていることが知られており、2019年のフジロック出演もその一環だった。クロは、吉田ヨウヘイgroup在籍時からTAMTAMのメンバーとしても活動していた。