ペダルの踏み込みでバンドパスフィルターのピーク周波数を上下させ、ミュートしたトランペットや人の声に近い音色変化を作るギター用ワウペダル。原型は1966年にThomas Organ社でVOXのアンプ設計を進める中で生まれたもので、ミドルレンジのブースト回路の帯域をオルガン用ボリュームペダルで動かしたことがきっかけ。開発を手がけたのはエンジニアのBrad Plunkett。名称は、ハーマンミュートを開閉して「ワウワウ」と鳴らす奏法で知られたジャズトランペット奏者クライド・マッコイに由来し、発売当初は管楽器奏者向けの製品として打ち出された。1967年の最初のモデルは底面に本人の顔写真が入っており、通称ピクチャーワウと呼ばれる。1968年になると写真が外され、サインのロゴだけを配したバージョンへ切り替わった。回路はインダクターとコンデンサーによるLC共振型で、この時期のイタリア製個体にはハロー型インダクター、ICAR製100kΩポット、ARROWやMARQUARDTのスイッチが使われる。サイン期にはSES 131DT2トランジスタを載せた個体があり、BC109bを使う写真期のものより荒い鳴り方をする。1969年ごろに製品名はV846へ改められ、製造もJEN Elettronicaへ移っていった。後年VOXからは、ターレットボード配線を用いたV846-HWや、スイープを低めに取りゲインを上げたV847-Cが出ている。
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