BAND / BANK BAND

Bank Band

メンバー
3人
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59点
メンバーMembers 3人

サポートメンバーを含む場合があります。

バンド紹介About

Bank Band(バンク・バンド)は、音楽家の小林武史と、Mr.Childrenのボーカリストである櫻井和寿を中心に2004年に結成された音楽プロジェクトである。小林がキーボード、櫻井がボーカルとギターを担当し、この2人以外の編成は固定されていない。作品やライブごとに演奏者が組み直され、管楽器や弦楽器を含む大人数のアンサンブルを編成することも多い。所属レーベルはトイズファクトリー。

結成の背景にあるのは、小林武史、櫻井和寿、坂本龍一が設立した非営利組織ap bankである。Bank Bandは、このap bankの可能性を広げるために小林と櫻井が立ち上げたもので、CDやDVDなどの作品から得られる収益がap bankの活動資金に充てられる仕組みになっている。ap bankは「サステナブル」を大きな指標に据え、自然エネルギーへの融資、環境保全活動、東日本大震災の復興支援といったプロジェクトを手がける組織で、Bank Bandはその理念を音楽の側から伝える役割を担ってきた。「一生活者としてできること」を音楽を通して感じてもらう、というメッセージを掲げ、カバーソングを演奏するライブから活動が始まっている。

音源としての出発点は、2004年10月20日にリリースされた1stアルバム『沿志奏逢』。中島みゆきの「僕たちの将来」「糸」、岡村靖幸の「カルアミルク」、ヒートウェイヴの「トーキョー シティー ヒエラルキー」、大貫妙子の「突然の贈りもの」、井上陽水の「限りない欲望」、浜田省吾の「マイ ホーム タウン」、さねよしいさ子の「幸福のカノン」、遠藤賢司の「歓喜の歌」といった楽曲のカバーに加え、櫻井が書いたMr.Childrenの「HERO」「優しい歌」を歌い直した曲が並ぶ構成だった。演奏には櫻井(ボーカル、ギター)と小林(キーボード)のほか、古川昌義(ギター)、美久月千晴(ベース)、山木秀夫(ドラムス)、山本拓夫(サックス)が参加し、四家卯大がチェロと弦アレンジで加わっている。

シングルとしては、2006年7月19日にSalyuを迎えた「to U」がリリースされた。作詞は櫻井和寿、作曲とプロデュースは小林武史。オリコン週間チャート2位、2006年の年間ランキング23位を記録し、日本レコード協会からプラチナ認定を受けている。カップリングにはオフコースの「生まれ来る子供たちのために」のカバーとピアノ・バージョンが収められた。この曲はTBS系「筑紫哲也 NEWS23」のテーマ曲として2005年から2008年にかけて使われ、ap bank fesでは出演者が一堂に会して歌う定番曲になっている。

「to U」以降のオリジナル曲は、配信限定シングルを軸に発表されていく。2007年の「はるまついぶき」、2009年の「奏逢 〜Bank Bandのテーマ〜」、2016年の「こだま、ことだま。」、2017年の「What is Art?」、2018年にSalyuと共演した「MESSAGE -メッセージ-」、2021年にMISIAを迎えた「forgive」などがそれにあたる。アルバムは1作目に続いて『沿志奏逢2』が2008年、『沿志奏逢3』が2010年に発表され、フジファブリックの「若者のすべて」やKANの「何の変哲もないLove Song」といったカバーもここで取り上げられた。2025年1月29日には、櫻井の作詞、小林の作曲・プロデュースによる「カラ」が配信限定でリリースされている。

2021年9月29日には、2枚組のベストアルバム『沿志奏逢 4』が発売された。Disc1にはオリジナル曲と代表的なカバー、そして新曲が収められ、宮本浩次が参加した「東京協奏曲」も加わっている。Disc2は「LIVE BEST」と題され、歴代のap bank fesで演奏された音源が初めて音源化された。全25曲という規模で18年ぶんの活動をまとめた内容になっており、本作の収益はひとり親家庭支援プロジェクト「spoon」や災害復興支援、リボーンアート・フェスティバルなどに充てられることが発表された。

編成面の特徴は、小林武史と櫻井和寿の2人だけが固定で、それ以外の奏者は時期によって入れ替わる点にある。1stアルバム期の古川昌義、美久月千晴、山木秀夫、山本拓夫といった顔ぶれに対し、ap bank fes '18で紹介されたラインナップでは、小倉博和(ギター)、亀田誠治(ベース)、河村“カースケ”智康(ドラムス)、神宮司治(ドラムス)、山本拓夫(サックス、フルート)、小澤篤士(トランペット)、四家卯大(チェロ)、沖祥子(ヴァイオリン)、イシイモモコと小田原ODY友洋(コーラス)が名を連ねた。ドラマーが2名、そこに管楽器と弦楽器、コーラスまでを含む大所帯で、曲ごとに音の厚みを変えられる編成が組まれている。

音楽性の中核にあるのは、他のアーティストの曲を小林武史のアレンジで組み直すという方法論である。フォークやニューミュージックから90年代以降のJ-POPまで、原曲の年代もジャンルも幅広く、そこに櫻井和寿の声とバンドの生演奏を通すことで別の輪郭を与える。ホーンセクションやストリングス、コーラスを含む編成を前提としているため、オリジナル曲もアンサンブルの厚みを生かしたアレンジが多い。ドラムの山木秀夫は、結成当初からこのサウンドの土台を支えてきた奏者として位置づけられている。

ライブ活動の中心はap bank fesで、Bank Bandはこのフェスのハウスバンドを務めてきた。第1回は2005年7月16日から18日にかけて静岡県のつま恋で開催され、以降2006年、2007年、2008年、2009年、2010年、2011年と同地を主な会場として続いた。2007年は台風4号の接近により7月14日と15日の公演が中止となり、16日のみの開催となっている。2012年はつま恋、淡路島、みちのくの複数会場に分かれて実施され、その後の中断を経て2016年に宮城県石巻市で7月29日から31日に再開。2017年も宮城県内で、2018年はつま恋に戻って開催された。2025年2月15日と16日には「社会と暮らしと音楽と」をテーマに東京ドームで開催され、屋内での実施となった。

機材面でまとまった情報が確認できるのはドラムの山木秀夫である。アコースティック・キットはSONORのProLiteで、22インチ×17.5インチのバスドラム、10インチと13インチのタムタム、14インチと16インチのフロアタム、14インチ×6インチのスネアドラムという構成。シンバルはPaisteのFormula 602 Modern Essentialsシリーズで揃えられ、15インチのハイハット、16インチ・18インチ・20インチのクラッシュ、22インチのライドを組み合わせる。電子ドラムはRolandのTD-30KV-Sを使い、音源部のTD-30、キック・パッドのKD-140-BC、V-PadのPD-128S-BCなどで構成される。スティックはVATERで、Hideo Yamaki's Holy Yearningというシグネチャー・モデルがある。SONORについてはProLiteのほかSQ2シリーズも扱う。Y-UP側でも、ProLiteやSQ2、スネアドラムのProLite Snare、SQ2 Birch Vintage Snare、Designer Maple Light Snare、PaisteのFormula 602 Modern Essentials Hi-Hat、Formula 602 Modern Essentials Crash、Formula 602 Modern Essentials Ride、RolandのTD-30KV-SやVAD706、TD-50X、ドラム・トリガーのRT-30HR、RT-30Kといった使用機材を確認できる。

メンバーの別活動としては、小林武史がMr.Childrenをはじめ多くのアーティストの作品を手がける音楽プロデューサーであること、櫻井和寿がMr.Childrenのボーカリストであることが挙げられる。またBank Bandに参加してきた奏者には、亀田誠治や河村“カースケ”智康、山木秀夫のように、それぞれ独自のキャリアを持つスタジオ/セッション・ミュージシャンが多い。