フジファブリック
- メンバー
- 5人
- 掲載している機材
- 65点
サポートメンバーを含む場合があります。
フジファブリックは、志村正彦を中心に2000年に結成された日本のロックバンドである。志村(ボーカル/ギター)の急逝後は、山内総一郎(ボーカル/ギター)、金澤ダイスケ(キーボード)、加藤慎一(ベース)の3人編成で活動し、2025年2月をもって活動を休止した。ギターを軸にしながら、シンセサイザーやオルガンを前面に出したアレンジを取り込む点が、編成上の大きな特徴になっている。
結成は2000年で、ソングライティングとボーカルを担った志村正彦がバンドの中心にいた。インディーズでの活動を経て、2004年4月14日にシングル「桜の季節」でメジャーデビューする。同作は東芝EMI傘下のCAPITOLレーベルから品番TOCT-4709で発売され、カップリングに「桜並木、二つの傘」を収録、映像を追加したCD-EXTRA仕様が採られた。このシングルは四季になぞらえたシングル・シリーズの「春盤」として位置づけられた第1弾であり、季節を主題に据える初期の作風を示す作品となった。
その後もシングルとアルバムを重ね、2010年7月28日にはアルバム『MUSIC』を発表する。同作に収められた「夜明けのBEAT」は、テレビ東京の「ドラマ24」枠で放送されたドラマ『モテキ』の主題歌に起用された。2007年にはシングル「若者のすべて」を発表しており、この曲と「桜の季節」は、バンドの活動を通して繰り返し取り上げられてきた楽曲である。活動の終盤にあたる2024年2月には、通算12作目のオリジナル・アルバム『PORTRAIT』を発表している。
編成の変遷では、2009年の志村正彦の急逝が大きな節目となった。残された山内総一郎、金澤ダイスケ、加藤慎一の3人はバンドの継続を選び、2011年から新たな体制で本格的に活動を再開する。この体制では、山内がリード・ギターに加えてボーカルを兼ねた。2023年、アルバム『PORTRAIT』の制作中に金澤ダイスケから脱退の申し入れがあり、メンバー間で複数回にわたって話し合いが持たれたものの意思は固く、2024年7月3日に、2025年2月をもって活動を休止することが発表された。メジャーデビューから20年の節目にあたる時期の発表だった。
活動休止前の最後の単独公演は、2025年2月6日に東京・NHKホールで行われた「フジファブリック LIVE at NHKホール」である。開場17時30分、開演18時30分で、チケットはファンクラブ「FAB CHANNEL」会員向けの先行受付から販売された。
音楽的な背景として、山内総一郎はプリンス、トーキング・ヘッズ、ピンク・フロイド、デヴィッド・ギルモアといった名前を挙げており、ブラック・ミュージックに根ざしたファンキーなカッティングを、ギター・ロックの文脈に持ち込んでいる。2021年の作品『I Love You』の制作では、ストリーミングやCDでの再生のされ方を意識し、ギターのパワー・コードが歌を邪魔しないように配慮した、カッティング中心の抑制的なアプローチが採られた。
機材面では、山内総一郎のギターの使い分けが細かい。Fenderの Stratocaster は、1963年製のネック、マスタービルダーが手がけたシグネチャー・モデルのボディ、1962年製のピックガードと電装系、1961年製のブリッジを組み合わせたもので、エレクトリック・ギターの音の多くはネックに由来するという考えのもとに組まれている。ブラックガード期の最終年にあたる1954年製の Telecaster は重量が約3kgと軽く、『I Love You』のレコーディングでは「LOVE YOU」を除く全曲で使われた。ほかに、ゴールドフォイル・ピックアップを4基備えた1960年代の Teisco SS-4L、リフやフレーズの装飾に用いる Jerry Jones の Electric Sitar がある。
シグネチャー・モデルも複数存在する。2019年にはデジマート限定15本で Souichiro Yamauchi Telecaster Maroon が発売され、阪急電鉄の車両色にちなむマルーンのカラーと、センター・ポジションのピックアップ配置が特徴となった。2023年10月25日には Souichiro Yamauchi Stratocaster Custom が登場し、アッシュ材のセミホロウ・ボディにホワイトのサテン・フィニッシュを施し、フロントにCuNiFe Wide Range Humbucker、リアにCustom Wired Vintage Style Single Coil Tele、さらにテレキャスター用のブリッジとネック・ピックアップのダイレクト・スイッチを組み合わせている。愛用する1954年製テレキャスターの要素を、バッキングからリードへ素早く切り替えられる設計へ落とし込んだモデルである。
アンプは1965年製の Fender Super Reverb で、10インチ・スピーカーを4基積んだこの1台を使いながら、歪みをアンプ側に頼らない組み立てが採られている。Klonの Centaur やコンプレッサーで音をあえてこもらせ、ペダル側でトーンを作る方法である。ペダルボードは Free The Tone の JB-41S と FC-373 でルーティングを組み、VOXの Clyde McCoy Signature、Musitronicsの Mu-Tron III と Phasor II、Wamplerの Ego Compressor、Pete Cornishの G-2/P-2、Sola Soundの Tone Bender MKIII、strymonの Flint、TC Electronicの Alter Ego V2、Sonic Researchの Turbo Tuner ST-200 が並び、電源には Providence の PAE-101P が使われた。Binsonの Echorec 2 も音作りに関わる機材として挙げられている。
加藤慎一のベースは、1959年製の Fender Precision Bass を中心に、半音下げチューニング用の1974年製 Precision Bass、アコースティック編成用の1967年製 Guild Starfire Bass を使い分ける構成である。ライブではSunnのConcert Bassヘッドと215Sキャビネット、レコーディングではAmpegのB-15S PORTAFLEXやB-15Nが用いられ、足元にはAguilarの Tone Hammer などが置かれた。ベースを始めたきっかけはMR.BIGのビリー・シーンである。
Y-UPでは、金澤ダイスケの機材としてMoogの Minimoog Voyager、KORGの ARP ODYSSEY、Nordの Nord Stage と Nord Electro 3、HAMMONDの XK-1 といった鍵盤やシンセサイザーの登録を確認できるほか、Fenderの Jazz Bass やアンプ、モニター機器まで幅広い使用機材が並ぶ。モニタリングについてはShureの SRH1540 を扱うメーカー公式のインタビューに山内と金澤が登場しており、中低域を土台に音を積み上げていく制作の考え方が示されている。
メンバーの別活動としては、山内総一郎が2025年からソロ活動を開始し、デジタル・シングル「人間だし」(2025年10月29日)などを経て、2026年7月22日に1stアルバム『A』を発表している。加藤慎一は2025年4月にcrowzetを始動させ、同年6月に「WALK IN crowzet vol.1」と題した初のライブを開催した。