米津玄師
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米津玄師(よねづ けんし)は、徳島県出身のシンガーソングライターである。1991年3月10日生まれ。作詞・作曲を自ら手掛けるほか、イラストレーターとしても活動し、自作品のアートワークなどを制作している。ボーカロイドを用いた楽曲の制作者「ハチ」として音楽活動を始め、2012年からは本名である米津玄師の名義でも作品を発表するようになった。公式サイトは「REISSUE RECORDS」の名で運営されており、レーベル上の所属はソニー・ミュージックレーベルズとなっている。
ハチ名義での活動は2009年に始まった。動画共有サイトのニコニコ動画に、初音ミクをはじめとするVOCALOIDを用いた自作曲を投稿するかたちで発表を重ね、「マトリョシカ」「パンダヒーロー」といった楽曲が再生数を大きく伸ばした。楽曲だけでなく映像とイラストも本人が手掛けるという制作スタイルは、この時期から一貫している。同時期には自主制作アルバム『OFFICIAL ORANGE』『花束と水葬』も発表しており、公式サイトのディスコグラフィでも「ハチ」名義の作品群が独立した区分として整理されている。
本名名義での活動は2012年に始まり、同年に1作目のアルバム『diorama』が発表された。VOCALOIDに歌わせるのではなく本人が歌う形式へ移行した作品で、この時点ではインディーズでのリリースだった。翌2013年5月にはユニバーサルシグマからシングル「サンタマリア」でメジャーデビューを果たす。その後2016年にソニー・ミュージックレコーズへ移籍し、2019年以降はソニー・ミュージックレーベルズに籍を置いている。
アルバムは『diorama』に続き、2014年4月に『YANKEE』、2015年10月に『Bremen』、2017年11月に『BOOTLEG』、2020年8月に『STRAY SHEEP』、2024年8月に『LOST CORNER』が発表されている。オリジナルアルバムを数年おきに出しつつ、その間をシングルと配信限定曲で埋める形が長く続いており、シングルは30作以上、アルバムは8作が公式ディスコグラフィに並ぶ。
2017年前後からは映像作品とのタイアップが大きな比重を占めるようになった。テレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』の主題歌となった「ピースサイン」、同じくアニメ『3月のライオン』に書き下ろされた「orion」、DAOKO×米津玄師名義で発表され映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の主題歌となった「打上花火」などがこの時期に集中している。2018年1月に発表された「Lemon」はTBS系ドラマ『アンナチュラル』の主題歌で、公式プロフィールでも「馬と鹿」「感電」と並ぶドラマ主題歌の代表例として挙げられている。ダウンロード販売では300万を超える数字を記録した。
アニメ作品との関わりはその後も続いている。2022年11月に発表された「KICK BACK」はテレビアニメ『チェンソーマン』のオープニング主題歌、2023年の「地球儀」は映画『君たちはどう生きるか』の主題歌として書き下ろされた。2025年には15thシングル「Plazma / BOW AND ARROW」を発表し、「BOW AND ARROW」はテレビアニメ『メダリスト』のオープニング主題歌となっている。同じ2025年には劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の主題歌「IRIS OUT」と、宇多田ヒカルとの共演によるエンディングテーマ「JANE DOE」を書き下ろし、両A面シングル「IRIS OUT / JANE DOE」として発表した。
音楽性の面では、インターネット上のVOCALOID文化を出発点としながら、自身の歌唱を中心に据えたポップスへ軸足を移してきた経緯が特徴となる。詞と曲を自分で書き、編曲やトラックメイキングにも深く関わったうえで、ジャケットのイラストや一部のミュージックビデオの絵柄まで手掛けるため、音と視覚のイメージが同じ作り手から出ている点は初期から変わっていない。プロフィール上の肩書きにも作詞・作曲と並んでイラストレーターが記載されている。
ライブ活動では、2025年に自身最大規模となるツアーが行われた。国内公演は2025年1月9日の宮城・セキスイハイムスーパーアリーナを皮切りに、アリーナとドームを回る「米津玄師 2025 TOUR / JUNK」として8都市16公演が組まれ、約35万人を動員した。続く海外公演「KENSHI YONEZU 2025 WORLD TOUR / JUNK」は上海、台北、ソウル、ロンドン、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルスの7都市10公演で、約9万人を動員。2025年4月6日(現地時間)のロサンゼルス・YouTube Theater公演で全日程を終え、国内外を合わせた総動員は約44万人、全公演がソールドアウトとなった。
機材面では、ギターを弾きながら曲を組み立てるスタイルが作品や映像から確認できる。Y-UPには、グレッチのG6128TCG Duo Jetと、ギブソンのES-335が使用機材として登録されている。前者は1950年代のデュオ・ジェットを再現したモデルで、ダイナソニック・ピックアップとゴールドパーツを備えた個体、後者はセミアコースティック構造のスタンダードなモデルであり、いずれもソリッド一辺倒ではない、箱鳴りを含んだ質感を持つ系統のギターにあたる。レコーディングでは、宇多田ヒカルやOfficial髭男dismなども手掛けるエンジニアの小森雅仁が作品に関わっていることが報じられている。
本人名義とは別に、ハチ名義での楽曲発表も途切れておらず、公式ディスコグラフィでも別区分として扱われている。また、他者への提供・プロデュース仕事も続けており、公式プロフィールでは「パプリカ」の制作・プロデュースが代表例として挙げられている。歌い手としての活動と、書き手・作り手としての活動が並行しているのが、キャリアを通じての形になっている。