マイクロコズム
- メンバー
- 1人
- 掲載している機材
- 6点
サポートメンバーを含む場合があります。
マイクロコズム(microcosm)は、太田美音(ボーカル、ギター)と佐藤穂奈美(ドラム、コーラス)による女性2人組のオルタナティヴ・ロック・バンド。ベースを置かず、ギターとドラムだけで組み立てるソリッドなバンド・サウンドと、太田の張りのある歌声を軸にした編成が特徴で、2010年代前半に自主制作を中心とした作品を発表した。ドラムの佐藤穂奈美は、ゲスの極み乙女。のドラマー ほな・いこか(さとうほなみ)としても活動している。
バンドの原型は、ほな・いこか(さとうほなみ)が高校時代に組んでいたバンドにさかのぼる。彼女はもともとギターを担当していたが、演奏がうまくいかずドラム担当のメンバーとパートを交換しており、そのときのバンドがのちのマイクロコズムにあたる。ドラムへの転向がそのまま彼女の音楽活動の出発点となっており、マイクロコズムは彼女が最初に本格的なリリースを重ねたバンドでもある。
音源は自主制作を軸にリリースされた。2012年1月13日に発表された『microcosm e.p.』は、ライブで演奏してきた4曲を収めた作品で、この時点では女性ヴォーカルを擁する3ピース編成として紹介されていた。翌年の2013年7月19日には、CD-Rの『黒くにじむ空に絶えず鳴り響く、』をリリース。この作品の紹介では、ギター・ボーカルとドラムという女性2ピースの編成が前面に出されており、初期の3人編成から2人編成へ移行していたことが確認できる。
2013年の作品からおよそ7か月後の2014年2月25日には、CD作品『顔』を発表した。当初はライブ会場と一部店舗のみでの限定流通だったが、ディスクユニオンのインディーズ・チャートで1位を記録している。作品の紹介でも、無駄をそぎ落とした演奏と、凛としたボーカルという2ピースならではの構成が要点として挙げられていた。
編成の推移という点では、2012年の『microcosm e.p.』時点の3ピースから、2013年の『黒くにじむ空に絶えず鳴り響く、』の段階で太田美音と佐藤穂奈美の2人編成へと変わっており、それ以降はこの2人の形でリリースとライブが行われた。ベーシストを補わずに2人のまま活動を続けたことが、そのままバンドの音の設計にも直結している。
音楽性はオルタナティヴ・ロックに分類される。ベース・レスの編成であるため、ギターの低域とドラムのアタックで曲の骨格を支える構造になっており、音数を絞ったぶん一つひとつの音の輪郭が前に出るサウンドになっている。初期の音源は、エモやUKロックからの影響と、耳に残るメロディを軸として紹介されていた。楽曲の傾向については、太田美音自身がのちのインタビューで、マイクロコズムの曲が暗い方向に寄っていたと振り返っており、この点が後年の別バンドでの作曲方針と対比されている。
ライブ活動では、自主企画も行っている。2014年5月28日には下北沢SHELTERで自主企画〈顔面充電チャレンジ〉を開催し、toldとQomolangma Tomatoを招いてイベントを組んだ。企画名を掲げて共演者をブッキングする形の主催イベントであり、2ピース編成のバンドとしてライブハウスを主戦場にしていたことがうかがえる。
機材面で公に確認できるのは、ドラムのほな・いこか(さとうほなみ)まわりの情報である。スティックはLERNIのアーティスト・ページに掲載があり、シグネチャー・モデルとして S-142HI を使用していることがメーカー側から示されている。Y-UPでも彼女の使用機材として、Slingerland の CAPRI PEARL Kit や Ludwig の Vintage Kit といったヴィンテージ寄りのドラム・キット、シンバルでは Zildjian の A New Beat Hi-Hats と K Pre-Aged Dry Light Ride、ペダルには Yamaha の FP-720、そしてスティックの Lerni / S-142HI といった登録を確認できる。ベースがいない編成では、ドラムの音の芯とシンバルの鳴り方がアンサンブル全体の印象を大きく左右するため、キットとシンバルの選択はバンドの音作りに直接関わる要素になる。
メンバーの別活動としては、佐藤穂奈美がほな・いこか名義でゲスの極み乙女。のドラマーを務めているほか、さとうほなみとして俳優業でも活動している。太田美音は、マイクロコズムでの活動が止まったのち、2015年に東京でayutthayaを結成した。ayutthayaは当初複数人編成で、2017年7月にEP『Good morning』を全国流通盤として発表し、その後メンバーの脱退を経て、太田美音(ギター、ボーカル)と右田眞(ベース)を中心にサポートメンバーを迎える形へ移行。2022年には1stフル・アルバム『Lighthouse』をリリースしている。太田はayutthayaを、マイクロコズムとは異なり明るい曲を書くために始めたバンドだと説明しており、2つのバンドは方向性の面で意識的に分けられている。