OAU
- メンバー
- 5人
- 掲載している機材
- 81点
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OAU(オーエーユー)は、2005年に結成された6人編成のアコースティック・バンドである。編成は、ボーカルとアコースティック・ギターのTOSHI-LOW、ボーカルとバイオリン、アコースティック・ギターを担当するMARTIN(マーティン)、アコースティック・ギターのKOHKI、コントラバスのMAKOTO、ドラムのRONZI(好き好きロンちゃん)、パーカッションのKAKUEIという顔ぶれで、このうちTOSHI-LOW、KOHKI、MAKOTO、RONZIの4人はハードコア・パンク・バンドBRAHMANのメンバーでもある。所属レーベルはトイズファクトリー。結成時のバンド名は「OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND」で、2019年4月12日に表記を「OAU」へ変更した。
バンドの出発点は、MARTINとTOSHI-LOWの出会いにある。スコットランド系アメリカ人のMARTINは幼少期からバイオリンを弾き、クラシックと並行してフィドルにも取り組んできた。来日後はシンガーソングライターのAkeboshiとのセッションを通じてライブ活動を始め、Akeboshiが出演した対バンでBRAHMANと同じ現場に居合わせる。その打ち上げで、当時ほとんど日本語を話せなかったMARTINは、英語で会話できるTOSHI-LOWと長く言葉を交わし、バンドを組みたいという話を持ちかけた。半年後にあらためて話そうと言われたMARTINは、実際に半年後、自作のデモを携えて連絡を取り、そこでアコースティックの楽曲が評価されたことが具体化のきっかけとなった。こうしたやり取りを経て、2005年にOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDが始動している。
作品としては、2006年に1stアルバム『OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND』を発表。2009年11月には2枚目のフル・アルバム『New Acoustic Tale』を出し、アップテンポの曲からバラードまで曲調の幅を広げた。2011年にはミニ・アルバム『夢の跡』を挟み、『New Acoustic Tale』から約5年のインターバルを経て、2014年9月3日にフル・アルバム『FOLLOW THE DREAM』を発表している。その後は2018年8月24日にデジタル・シングル「MIDNIGHT SUN」を配信するなど、配信を軸にしたリリースも行うようになった。
転機となったのは2019年である。4月12日にバンド名の表記をOAUへと改め、アーティスト写真とロゴも新しくした。同月19日には新曲「帰り道」を配信リリース。この曲は同年4月5日に放送が始まったテレビ東京系ドラマ24『きのう何食べた?』のオープニングテーマとして書き下ろされたもので、6月26日にはシングル「帰り道 / Where have you gone」としてCDでも発売された。さらに9月4日には、改名後最初のアルバムとなる『OAU』を発表している。
2020年6月10日には「世界の地図」を配信リリース。同曲はNHK『みんなのうた』の2020年6〜7月放送曲として書き下ろされたものである。同年12月9日にはベスト・アルバム『Re:New Acoustic Life』、2022年2月2日にはEP『New Spring Harvest』を発表し、同月22日には「This Song 〜Planxty Irwin〜」を配信。2023年3月29日の配信曲「セラヴィ -c′est la vie-」を経て、4月12日に2枚目のフル・アルバム『Tradition』をリリースした。『Tradition』は主に2022年12月から2023年1月にかけて制作され、同年10月25日にはツアーの模様を収めた映像作品『Tour 2023 Tradition at 人見記念講堂』も発売されている。
音楽性の軸にあるのは、欧米を中心としたトラディショナル・ミュージックやルーツ・ミュージックである。MARTINは、アメリカのフォーク・ロックやブルーグラス、アイルランドの音楽、東ヨーロッパのジプシー音楽といった多様なトラディションから影響を受けたことを挙げており、バンドはそれらを織り込んだアンサンブルを持ち味とする。制作では基本的にMARTINが曲のアイデアを出し、他のメンバーがそれを作り替えていく形が取られ、歌詞はTOSHI-LOWが担う。『Tradition』の時期については、バンドのアイデンティティを探っていた初期を抜け、トラディショナルな音楽性がより前面に出るようになったとTOSHI-LOWが説明している。ドラムに加えてパーカッションを置き、低音部をエレクトリック・ベースではなくコントラバスが担う編成も、サウンドの性格を決める要素になっている。
ライブ面で特徴的なのは、2010年から主催フェス「New Acoustic Camp」をオーガナイズしている点である。出演アーティスト全員がアコースティック編成で演奏するという趣旨のフェスで、以後毎年開催されてきた。バンド自身も国内の大型フェスへの出演を重ねており、単独公演ではホール規模のツアーも行っている。2023年の『Tradition』に伴うツアーでは人見記念講堂での公演が映像作品として残された。
機材面で情報が多いのはMARTINである。ステージで使うアコースティック・ギターはTaylorのAmerican Dream AD17e Blacktopで、シトカ・スプルース単板のトップをマット・ブラックで仕上げたモデル。Taylor側からスタイルに合うギターとして薦められたことが導入のきっかけで、低音がしっかり出る温かみのある鳴りを理由に選んでいる。ピックアップはES2を搭載し、弦にはElixirのNANOWEB Phosphor Bronzeのライト・ゲージ(.012〜.053)を張る。バイオリンにはThe RealistのRV4PeA SGZを使用しており、アコースティック・バイオリンをアンプリファイした際に出やすい耳に刺さる高域がなく、帯域のバランスが取れている点を選択の理由に挙げている。
足元は、ギター用とバイオリン用の2系統を1台のペダルボードにまとめた構成になっている。ギター側はボリューム・ペダルからStrymonのリバーブBigSkyを経由し、Animals PedalのFirewood Acoustic D.I.でプリアンプ兼DIとしてPAへ送る流れ。バイオリン側はチューナーの後にLehleのDC Filterを置き、EventideのPitchFactor、BOSSのDD-500 Digital Delay、NUXのNDR-5 Atlanticを通してから、Firewood Acoustic D.I. MKIIでPAへ出力する。エフェクトの中心はリバーブで、ギターでは曲調に応じて設定を変え、バイオリンではピエゾ由来の細い音に奥行きを足すため常時かけている。Y-UPには、このほかボリューム・ペダルのDVP4 Volume (X) Mini Pedalや、KORGのチューナーPitchblack XS、Pitchblack Xなど、MARTIN(マーティン)の使用機材が登録されている。
メンバーの別活動としては、TOSHI-LOW、KOHKI、MAKOTO、RONZIの4人がOAUと並行してBRAHMANとしての活動を続けている点が挙げられる。両者は編成も音楽性も異なる別のバンドで、アコースティック楽器を中心とするOAUに対し、BRAHMANはハードコア・パンクを出自とするバンドである。MARTINとKAKUEIはBRAHMANのメンバーではなく、OAU固有のメンバーとして参加している。