1960年代半ばにアメリカ・ベーカーズフィールドのMosriteが送り出したギター用ファズ。回路を手がけたのはEd Sannerで、Semie Moseleyが製品化を推し進めた。生産は1966年頃に始まり1968年まで続いた。当初はゲルマニウムトランジスタ(2N2613/2N408)を用いた構成で、この初期型の製造数は200〜250個程度にとどまる。ゲルマニウムは温度変化に弱く動作が安定しないという問題を抱えていたため、1968年にはシリコントランジスタへ置き換えられ、以降は大量に生産された。回路の構成そのものはゲルマニウム版とシリコン版で共通する。コントロールは2つで、初期の個体ではノブ脇に「V」「T」と刻まれ、音量と音色を受け持つ。1968年のシリコン版では背の高いノブに変更された。内部構造は年代によって移り変わり、初期のパーフボードから、フェノール紙基板へのポイント・トゥ・ポイント配線、1967年後半から1968年にかけてのアイレット基板、さらに1968年にはSpragueのオレンジ色の封止モジュールを用いたものへと変化した。Mosriteはこの回路をペダル単体だけでなくアンプへの内蔵という形でも用いた。派生としては、Mosriteが製造を担ったGuild Foxey Lady、トーンフィルターを追加したRosac Nu-Fuzzなどがあり、東海岸のメーカーによる模倣品も複数出回った。
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