藤原さくらは、福岡県出身のシンガーソングライターである。ボーカルとギターを担当し、自作の楽曲を弾き語りやバンド編成で聴かせる。1995年12月30日生まれ。所属事務所やレーベルのプロフィールでは、スモーキーと形容される声質が特徴として挙げられている。ナイロン弦のアコースティック・ギターを抱えて歌う姿で広く知られ、声とギターの距離が近い音楽を軸に活動を続けている。 ギターを手にしたのは10歳のときだった。バンドをやっていた父が用意したクラシック・ギターを譲り受けたことがきっかけで、それまで楽器そのものに強い関心があったわけではなかったが、自分の楽器を持てたこと自体が弾き始める動機になったと本人は振り返っている。最初に取り組んだのはビートルズの楽曲で、その後、父の友人から譲られたタカミネのアコースティック・ギターに触れたことで、ナイロン弦とスチール弦の響きの違いを体感することになった。洋邦を問わず多様な音楽に親しむ幼少期を過ごし、高校進学後にオリジナル曲の制作を開始。地元・福岡のカフェやレストランを中心としたライブ活動で、少しずつ聴き手を増やしていった。 作曲の入口は、高校時代に通っていたボーカルスクールにあった。講師が用意したコード進行にメロディと歌詞を乗せる作業から始め、そこから自分の好きな音楽を紙に書き出して構成や楽器の使い方を分析する習慣を重ね、表現の幅を広げていった。アルバム『AIRPORT』の制作では、トラックメイカーとの共作、自分でリズムから組み立てる曲、弾き語りのボイスメモをリファレンスとして渡す方法など、曲ごとに異なる作り方を試している。 2015年3月、ミニアルバム『à la carte』をSPEEDSTAR RECORDSからリリースし、メジャーデビュー。2016年4月にはフジテレビ系ドラマ『ラヴソング』にヒロイン役で出演し、役者としての活動も並行して始めた。以降もアルバムを重ね、音楽活動に加えて役者やラジオ、ファッションに関わる仕事にも領域を広げている。 機材の中心にあるのは、Martinの000C Nylonである。000サイズのボディにカッタウェイとスロテッドヘッドを備えたナイロン弦モデルで、本人もメイン・ギターとして挙げており、トレードマークとして紹介されることも多い。ステージでは同型をもう1本サブとして用意することもある。柔らかいナイロン弦の響きは、彼女の歌声の質感と組み合わせたときの相性が語られる場面が多い楽器でもある。 スチール弦側を代表するのが、1943年製のMartin 00-17だ。オール・マホガニーのボディを持つ小振りなヴィンテージ・モデルで、柔らかく温かな鳴りが特徴として取り上げられている。トラスロッドにエボニーが用いられている点も、金属製のものとは異なるウッディな響きにつながると指摘されている。ライブで使う際にはピックアップとしてFishmanのRare Earth Humbuckingを取り付け、アクティブのハムバッカーで出力を確保している。アコースティック楽器をエレアコとして扱う組み方で、弾き語りからバンド編成まで対応させている。000C Nylonとの出会いをきっかけにヴィンテージのMartinを複数所有するようになったとも語っており、メーカー企画の試奏記事に登場するなど、ブランドとの関わりも見える。 持ち替える楽器の幅も広い。ステージではエレクトリック・ギターやウクレレを曲ごとに使い分ける。Y-UPには、エレクトリック・ギターのES-339やOlympic Double、ウクレレのC1K UkeとLHUC-ASAK-CE、チューナーのPitchblack mini、DIのJ48やTube Direct Interface、マイクのe 906、ストラップのBG-31 CANDY FLOWERといった使用機材が登録されており、アコースティックを軸にしながらも電気楽器と小型楽器を行き来する編成がうかがえる。 シンガーソングライターという存在を強く意識するきっかけになった一人としてYUIを挙げている。その楽曲をカバーしようとした経験が、ナイロン弦とスチール弦の違いを知る入口にもなったという。幼少期から洋楽を含む幅広い音楽を聴き込み、自分がどんな音楽に惹かれるのかを掘り下げてきた過程が、弾き語りを核に据えながら編成や音作りを変えていく活動につながっている。
写真は同モデルの一例や代表写真のため、本人の実際の使用モデルとは色やパーツが異なる場合があります。
Martin
00-17 (1943)1943年製のヴィンテージ。オール・マホガニー・ボディで、戦時中の製造のためトラスロッドに木材(エボニー)を使用する。サウンドホール・ピックアップを取り付けエレアコとして使用。
Martin
000C Nylon上京してから自身で購入したナイロン弦のガット・ギター。000サイズのカッタウェイ・ボディにスロテッドヘッド、Fishman製ピックアップを搭載。メインギターとして47都道府県弾き語りツアーなどで使用。
Martin
000C Nylonサブギターとしてスタンバイされている同モデルのもう1本。ナイロン弦、000サイズのカッタウェイ・ボディにスロテッドヘッド。2018年の日比谷野外大音楽堂公演で持ち込まれていた。
Martin
C1K Ukeコンサート・サイズのウクレレ。ハワイアンコア単板のボディで、星柄のBohemians製ストラップを装着。2018年の日比谷野外大音楽堂公演などで使用。
Gibson
ES-339ES-335を小型化した小ぶりなボディのセミアコ。サンバースト・フィニッシュ。全国ツアーやフェス、弾き語りライブ映像などで使用。
Leho
LHUC-ASAK-CEコンサート・カッタウェイのウクレレ。アカシアコア単板ボディにクラシカルなスロテッドヘッド、B-Band製ピックアップを搭載。赤い花柄のストラップを装着し、ライブなどで使用。
Epiphone
Olympic Double (1960s)1966年頃製とされるヴィンテージのソリッド・ギター。チェリーレッドのマホガニー・ボディに2シングルコイル、ビグスビー式アーム。リハーサルスタジオで出会って購入した1本で、ライブなどで使用。
Radial
J48アクティブ・ダイレクトボックス。スティール弦アコースティックギターのピックアップ出力を受け、AERのアンプへ送るために使用。
KORG
Pitchblack miniペダル・チューナー。スティール弦アコースティック用とナイロン弦用に「AG」「GUT」と記した2台を足元に配置。
Manley
Tube Direct Interface真空管DI。ナイロン弦ギターのピックアップ出力を受け、アンプのもう一方のチャンネルへ送るために使用。
Sennheiser
e 906ダイナミック・マイク。ステージ上のアコースティック・アンプのマイキングに使用。
Fishman
Rare Earth Humbuckingサウンドホールに取り付けるハムバッキング・タイプのマグネティック・ピックアップ。1943年製のマーティン00-17に装着し、エレアコとして使用。
Bohemians
BG-31 CANDY FLOWER花柄の刺繍が施された日本製のギターストラップ。ヴィンテージのエピフォン・オリンピックに装着している。Gibson公式サイトの写真で確認できる。
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