山嵜廣和は、インストゥルメンタル・バンド toe のギタリスト。2000年に美濃隆章、山根さとし、柏倉隆史とともに結成され、二本のギターが絡み合う編成の一方を担ってきた。toe の楽曲は歌を伴わないものが中心だが、作品によっては山嵜廣和自身がボーカルを執る曲も収められる。 1974年生まれ。20代前半から店舗の設計や施工の仕事に関わり、23歳のときにデザイナーと共同で最初の会社を興したのち、2007年にインテリアデザインの会社 Metronome Inc. を設立した。飲食店やショップ、ホテルなどの内装を手がけ、中目黒のセレクトショップ Vendor や Hotel Anteroom Kyoto などが仕事として挙げられる。音楽と設計のどちらかを副業として位置づけることはなく、双方を本業として並行させている。toe はメンバー全員がそれぞれ別の生業を持ち、音楽を生活の糧にしないという前提のうえに活動が組み立てられているバンドでもある。 toe は事務所やメジャー・レーベルと契約せず、自分たちで立ち上げた自主レーベルから作品を発表してきた。海外向けにはアメリカの Topshelf Records をはじめとするインディペンデント・レーベルを通じてリリースされ、ヨーロッパ、北米、アジアでのツアーを重ねている。宣伝の予算や専任のスタッフを持たない運営体制で、周年の企画のような催しも自分たちで動かなければ形にならない状況のなかで続けられてきた。2020年4月には、営業自粛の影響を受けたライブハウスを支援する「MUSIC UNITES AGAINST COVID-19」の立ち上げに山嵜廣和が関わり、全国120以上の会場が参加した。 曲づくりでは、まずギター1本で始まりから終わりまでの骨格を決め、そのうえに2本目のギターや上モノを重ねていく手順を取る。自宅で弾いていて良いと感じたフレーズを携帯電話に録音しておくところから発展する曲も多い。制作は、通しで演奏できる状態にしてから録るのではなく、録音と編集を進めながら組み立てていく方法が中心になる。アンサンブルの狙いとしては、各楽器の分離のよさを重視し、前に出るフレーズの裏側に細かいポリリズムを小さく置く。左右の振り分けについては、ドラムとギターが片チャンネルずつに配置された往年のステレオ録音、たとえばジミ・ヘンドリックスの音源から受けた印象が下敷きになっている。 歌の入る曲では、歌メロを意味を持たない仮の言葉で組み立て、その音の並びに日本語の歌詞を当てはめる手順を取る。感情や主題を先に決めて言葉を選ぶ書き方ではない。ゲスト・ボーカルの起用についても、歌い手に合わせて曲を書くのではなく、先にできあがった曲に対して声をかける進め方を取る。作品の規模としては、曲数を詰め込んだフル・アルバムより、4曲から5曲でまとまった形を好む。2015年の作品から9年を経て2024年に発表されたアルバム『NOW I SEE THE LIGHT』には、山嵜廣和が歌う曲が4曲収められ、バンドがこれまでに通ってきた要素を少しずつ織り込む形でまとめられている。 使用するギターは、ライブとレコーディングの双方で Crews Maniac Sound にオーダーして製作した TL タイプが軸になる。ヴィンテージ楽器を集める志向は持たず、弾き慣れた同じ個体を場面を問わず使う。アコースティック・ギターは Gibson の LG-0 で、レコーディングでほかの個体も試したうえで、ライブで使い続けてきたこの1本に落ち着いた。エレクトリックとアコースティックの比率は作品によって変わり、自宅でアコースティック・ギターを弾く時間が長いことから、アコースティックが軸になる曲も生まれている。 足元は意図的に絞り込まれている。ライブでの踏み間違いを避けるため、発振を目的としたディレイ、BOSS の MT-2 Metal Zone と TR-2 Tremolo、そしてチューナーという構成にまとめられた。かつては複数のブースターも並べていたが、オフにし忘れるといったトラブルが重なったことから外されている。音色の好みとしては、輪郭のはっきりしない完全なクリーンよりも、わずかに歪ませた状態を選び、帯域のバランスはドンシャリ寄りに寄せる。Y-UPでは、これらに加えて Bananana Effects の WORMHOLE、TC Electronic の PolyTune、Xotic の RC Booster、G&L の ASAT Classic、BluGuitar の AMP1 Silver Edition といった使用機材を確認できる。
写真は同モデルの一例や代表写真のため、本人の実際の使用モデルとは色やパーツが異なる場合があります。
G&L
ASAT Classicブロンド・フィニッシュのTLタイプ。黒のピックガードとメイプル指板を備える。2010年のO-EAST公演を収めたライブ映像で確認できる。
Crews Maniac Sound
Custom Order GuitarオーダーメイドのTLタイプ。ナチュラル・フィニッシュのアッシュ・ボディにメイプル・ネック、黒のピックガードという仕様で、フロントにハムバッカーを搭載しピックアップ・セレクターを持たない。メイン・ギターとしてライブなどで使用。
Gibson
LG-0 (1960s)60年代製のスモール・ボディ。オール・マホガニーのシンプルな仕様で、フィッシュマンのピックアップを装着している。メインのアコースティックとしてライブやレコーディングなどで使用。
BluGuitar
AMP1 Silver Editionペダルボードにも組み込める100Wのアンプ・ヘッド。ナノチューブを搭載し、CLEAN/VINTAGE/CLASSIC/MODERNの4チャンネルとリバーブを備える。海外ツアー用に導入した機材。
BOSS
MT-2 Metal Zoneディストーション。「エソテリック」の歪みパートに使う専用機で、ブースト的な役割も兼ねてペダルボードに常設している。
TC Electronic
PolyTuneポリフォニック・チューナー。エレキ用とアコギ用に2台を用意し、ペダルボードの右側に配置している。
Xotic
RC Boosterクリーン・ブースター。ブースト用途としてペダルボードに組み込み、BOSS TR-2へつなぐセッティングで使用。
BOSS
TR-2 Tremoloトレモロ。踏み間違いを避けるため台数を絞ったペダルボードに組み込み、ライブなどで使用。
Bananana Effects
WORMHOLE光センサーでディレイタイムを操作できるディレイ。イエローの筐体で、フットスイッチを増設したカスタム仕様の個体。発振を作る専用機としてペダルボードに配置。
自分の機材を、
投稿・共有しよう。
写真とひとことを添えるだけで、あなたの機材ページができます。
できること
- 写真とひとことで、機材を最大50点まで
- 機材ごとに、演奏動画のリンクを3件まで
- 自分で決めたURLで、SNSにシェア
- アーティストや機材のページにコメント




- 情報元となるURL(SNSや記事など)を共有いただければ、内容を確認のうえ、情報の追加・修正をいたします。
コメントする...