iriは、シンガーソングライターである。歌を主軸としながら、ギターの弾き語りから音楽活動を始めた経歴を持つ。低く落ち着いたスモーキーな声質と、ヒップホップやR&Bのマナーに沿ったビート、ダンストラックを自在に乗りこなす歌唱が特徴で、歌とラップの中間を行き来するようなフロウ、言葉を詰め込みすぎずにグルーヴを優先する歌い回しが、作品を通じた共通項になっている。ビクターエンタテインメントに所属し、同社のレーベルからアルバムやシングルを継続して発表している。 音楽への関心は10代の頃にさかのぼる。音楽が人を勇気づけ、力づけるものだと感じた原体験として、アリシア・キーズのミュージックビデオを挙げている。高校生の頃には自宅にあった母親のアコースティックギターを手に取り、独学で演奏を覚えた。曲作りへの興味から自分のギターを持つようになり、大学生の頃にアルバイトをしていたジャズクラブで弾き語りのライブを始めている。初めてのライブもこの店で行っており、働く場所がそのまま演奏と学びの場になっていた時期が、その後の活動の土台になっている。 転機は2014年で、雑誌「NYLON JAPAN」とソニー・ミュージックが開催したオーディション「JAM」でグランプリを獲得した。副賞としてニューヨークでの音楽留学も経験している。そして2016年10月26日、アルバム「Groove it」でメジャーデビューを果たした。シンセを用いたトラックからダンストラック、アンビエント寄りの楽曲までを収めた一枚である。 2017年にはEP「Life」を発表。同じ年に発表した「わたし」がナイキのキャンペーンに起用され、音楽ファン以外にも広く知られるようになった。以降、「Juice」(2018年)、「Shade」(2019年)、「Sparkle」(2020年)、「Neon」(2022年)、「Private」(2023年)とオリジナルアルバムを重ね、EP「The beginning of the day」や、デビューからの5年間をまとめたベストアルバム「2016-2020」も発表している。CMタイアップやキャンペーンソングを数多く手がけ、他アーティストの作品への客演や楽曲提供も行うなど、ファッションやカルチャーの領域とも接点の多い活動を続けている。 ライブでは全国規模のツアーを重ねており、2024年3月には自身初の武道館単独公演「iri LIVE at 武道館」を開催し、チケットは完売した。同じ年には海外ツアーも行っている。2025年には全国10都市を回るツアーを完走した。 機材面では、活動の出発点がアコースティックギターの弾き語りにあり、ギターは制作と表現の双方に関わる楽器として位置づけられている。Y-UPには、使用機材としてGibsonのMarauderが登録されている。Marauderは1974年から1979年にかけてギブソンが製造したソリッドボディのエレクトリックギターで、レスポールに近いボディ形状に、それとはまったく異なる流線形のピックガードを組み合わせた外観を持つ。ヘッドはフライングVを思わせるデザインで、ギブソンとしては珍しいデタッチャブル・ネックを採用している。ピックアップはビル・ローレンスが設計に関わったもので、フロントにハムバッカー、リアにシングルコイルという組み合わせ。2基のピックアップのバランスを調整するコントロールを備える。 あわせて、SonyのMDR-CD900STもY-UPに登録されている使用機材として確認できる。国内のレコーディングスタジオで長く標準的に使われてきた密閉型のモニターヘッドホンで、録音時のモニタリングや音のチェックに用いられる定番機である。歌を中心に据えた制作において、音を確かめるための基準となるモニター環境が果たす役割は小さくない。
写真は同モデルの一例や代表写真のため、本人の実際の使用モデルとは色やパーツが異なる場合があります。
Gibson
Marauderワインレッド・フィニッシュに大きなクリーム色のピックガードを備えたエレキギター。ネック側にハムバッカー、ブリッジ側にスラント配置のシングルコイルを搭載。楽器店で見つけた個体で、「Swamp」のMVやライブなどで使用。
Sony
MDR-CD900STスタジオ標準として広く使われる密閉型モニターヘッドホン。「THE FIRST TAKE」でのパフォーマンス時に着用しているのを確認できる。
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