片平里菜
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片平里菜(かたひらりな)は、福島県福島市出身のシンガーソングライター。1992年5月12日生まれ。アコースティックギターの弾き語りを出発点とし、バンド編成を伴うライブやホールツアーも行う。作詞・作曲を自ら手がけ、日常の感情や生活の手ざわりを平易な言葉で書きつける歌詞と、地声の芯を残したまま伸びる歌唱を軸に活動している。2013年にポニーキャニオンからメジャーデビューし、2018年以降は自身のレーベルと事務所を拠点に作品を発表している。
音楽に向かうきっかけは家族にあった。兄がエレキギターを始めたことに刺激を受け、小学6年生の頃からギターに関心を持つようになる。ただし本格的にギターを手にしたのは高校3年生になってからで、そこから弾き語りでの表現に取り組み始めた。高校在学中にはボーカルスクールにも通い、地元のライブハウスで人前に立つ経験を重ねている。初めてライブハウスで弾き語りを行った際の手応えが、自分の考えていることを歌で伝えるという方向性を決定づけた。
転機となったのは、10代のうちに出場した「閃光ライオット2011」である。応募総数1万組の中から審査員特別賞を受賞し、オーディション出身の新人として名前が知られるようになった。その後、ソニーのWALKMANが展開したキャンペーンレーベル「Play You. Label」の第1弾アーティストに選ばれ、音源発表の場を得ている。この時期にはASIAN KUNG-FU GENERATIONからの後押しも受け、バンドのメンバーが制作に関わる形で楽曲づくりが進んだ。
2013年1月には配信シングル「始まりに」を発表。同じ年、ギターブランドのエピフォンから公認アーティストとして認定され、日本人女性としては初の認定となった。そして2013年8月7日、シングル「夏の夜」でポニーキャニオンからメジャーデビューを果たす。このデビュー作のプロデュースを担当したのは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONでベースを弾く山田貴洋だった。デビュー前から続けてきた弾き語り中心のライブ活動が、そのままメジャーでの表現の土台になっている。
デビュー後はシングルを継続的に発表した。2014年1月15日に「女の子は泣かない」、同年4月13日に「Oh JANE/あなた」をリリースし、後者の収録曲「あなた」は映画『ライブ』の主題歌に起用された。2015年2月25日には「誰もが / 煙たい」、同年8月28日には「誰にだってシンデレラストーリー」を発表し、後者はTBS『王様のブランチ』のエンディングテーマとなった。2016年1月13日の「この涙を知らない」に続き、同年4月27日発表の「結露」はテレビアニメ『迷家-マヨイガ-』のエンディングテーマに採用されている。2017年3月1日の「なまえ」は映画『パパのお弁当は世界一』の主題歌として書かれた。
アルバムは、2014年8月6日の『amazing sky』が最初のオリジナル作となる。2016年2月3日に『最高の仕打ち』、2017年12月20日に『愛のせい』を発表し、2018年11月14日にはベストアルバム『fragment』をリリースした。2020年1月15日には『一年中』、同年9月9日には『HEY! Darling EP』を発表している。2023年8月2日にシングル「予兆」、同年10月18日にアルバム『Redemption』を発表し、2026年4月1日にはシングル「愛するたびに」をリリースした。
音楽的な下地には洋楽の女性シンガーがある。中学生の頃からアヴリル・ラヴィーンやアラニス・モリセットといった、声と言葉に芯のあるシンガーに強く惹かれてきたことを本人が語っており、その志向は弾き語りを基本としながらもロック寄りのバンドサウンドへ踏み込む作風につながっている。アコースティックギター1本で成立する曲と、バンドで鳴らすことを前提にした曲の両方を持つのが特徴で、ライブでもアコースティックギターとエレクトリックギターを持ち替えて演奏する。歌詞は生活圏の出来事や率直な感情を扱うものが多く、比喩に寄りかからない書き方が続いている。
他のアーティストとの共演も重ねている。2015年12月9日には東京スカパラダイスオーケストラのシングル曲「嘘をつく唇」でゲストボーカルを担当し、同バンドの歴代ゲストボーカルとしては最年少での起用となった。管楽器を前面に出した編成の中で歌う機会は、弾き語りとは異なる歌の立ち位置を試す場にもなっている。
ライブ活動は弾き語りとバンド編成の両方で行われている。メジャーデビュー5周年にあたる2018年には記念公演を実施し、5月10日の東京・EX THEATER ROPPONGIを皮切りに、5月24日の名古屋ダイヤモンドホール、5月25日のなんばHatchを回った。2017年にはホールツアーを行い、その模様は映像作品として発表されている。『Redemption』発表後のRedemption TOUR 2023-2024ではファイナル公演を日比谷野外音楽堂で行い、この公演は2025年2月27日に映像作品として発売された。
体制の面では、2011年から所属していたソニー・ミュージックアーティスツを2018年5月31日付で離れ、同年6月1日からフリーランスとなった。その後2018年12月1日に個人事務所「BUCHI.」を立ち上げ、自身のレーベル「BUCHI.RECORDS」から作品を発表する体制に移行している。メジャーレーベルの枠を離れたあとも制作とツアーを継続し、2023年にはデビュー10周年を記念した企画を実施した。
機材面では、エピフォン公認アーティストという立場が示すとおり、エピフォンのアコースティックギターを長く使用してきた。1960年代のギブソンJ-50をはじめとするヴィンテージのアコースティックギターも弾き語りの中心に据えており、ライブではエレクトリックギターも併用する。Y-UPでは、Gibson の J-50、Epiphone の Texan FT-79 と Masterbilt DR-500MCE、そしてストラップの Souldier Medallion Guitar Strap といった使用機材を確認できる。ラウンドショルダーのアコースティックギターを軸に、生音の胴鳴りを残した音像で歌を支える組み立てになっている。
音楽活動以外では、出身地である福島との関わりを続けており、ふくしまFMで自身の冠番組「片平里菜Come Back Home」を担当している。また、音源とライブにとどまらず展示という形式での表現にも取り組んでいる。