BAND / CINEMA STAFF

cinema staff

メンバー
4人
掲載している機材
50点
メンバーMembers 4人

サポートメンバーを含む場合があります。

バンド紹介About

cinema staff(シネマスタッフ)は、岐阜県で活動を始めた4人組のオルタナティヴ・ロック・バンドである。編成は飯田瑞規(ボーカル/ギター)、辻友貴(ギター)、三島想平(ベース)、久野洋平(ドラムス)の4人で、飯田と辻によるツインギターに、三島のベースと久野のドラムが重なる形を取る。この4人編成が固まったのは2006年で、公式サイトのプロフィールでもオルタナティヴ・ロック・バンドとして紹介されている。

結成の起点は2003年にさかのぼる。岐阜県の高校で同級生だった辻友貴、飯田瑞規、三島想平の3人が前身となるバンドを始め、その後の2006年に久野洋平がドラマーとして加わって、cinema staff としての4人編成が成立した。久野は3人とは高校が別で、進学後に知り合ってバンドに合流している。バンドの母体が学生時代の同級生同士であること、そして加入以降メンバーの入れ替えがない4人でキャリアを重ねてきたことが、この編成の特徴になっている。

音源のリリースは2008年、残響レコードからのインディーズ・デビューによって始まった。その後2012年6月20日にEP『into the green』を発表し、ポニーキャニオンからメジャー・デビューを果たしている。インディーズ期に培った轟音とアンサンブル志向を保ったままメジャーへ移行した点は、複数の媒体で共通して触れられている経緯である。

アルバムは、2011年の1作目『cinema staff』を皮切りに、2013年『望郷』、2014年『Drums,Bass,2(to) Guitars』、2015年『blueprint』、2016年『eve』、2017年『熱源』と続いた。『熱源』は通算6作目にあたる。その後2021年に『海底より愛をこめて』を、2025年7月23日には全10曲を収める8作目『PLASTIC YOUTH』を発表している。おおよそ年1作前後のペースで作品を重ねた時期と、数年の間隔を置いて発表した時期の両方を経ている。

代表曲として広く知られるのが、2013年8月にリリースされた「great escape」である。この曲はTVアニメ『進撃の巨人』の後期エンディングテーマに起用され、バンドの名前がアニメ経由のリスナーにも届く契機になった。さらに『進撃の巨人』Season 3でも「Name of Love」がエンディングテーマとして使われており、同作品と複数回にわたって接点を持っている。

ライブ面では、地元・岐阜を舞台にした主催フェス「OOPARTS」を2013年に立ち上げ、以降も継続して開催してきたことが活動の柱のひとつになっている。ワンマン公演では2017年10月に日比谷野外大音楽堂へ初めて立ち、2025年には同じ日比谷野外音楽堂で3年ぶりとなるワンマンを行った。このほか主催イベント「BATTLE OF LIQUIDROOM」やARABAKI ROCK FEST.といった大型フェスへの出演、2024年の中国での初公演および台湾公演など、国内外に活動範囲を広げている。

ギターの音作りでは、2人が異なるキャラクターの楽器を使い分ける点が要になっている。飯田瑞規が弾くのは、ウォルナット・カラーのラッカー・フィニッシュで仕上げられたFenderのElvis Costello Signature Jazzmasterで、バズ・ストップ・テンション・バーを追加し、ピックアップ・セレクターをダミー化して2基のピックアップが常時パラレルで出力される仕様に手を加えている。ボーカルを取りながら弾くギターとして、コードの鳴りとアタックの両方を確保する構成になっている。

辻友貴のギターは、パール・カラーのセミホロウ・ボディを持つBlast CultのMarquisである。メイプル・トップにルイジアナ産のヒノキ材をサイド/バックへ用い、TV Jones製のハムバッキング・ピックアップを2基、テイルピースにはビグスビーを搭載する。歪みまわりでは、辻はBOSSのGE-7 Equalizerをファズの後段に置き、3.2kHzと6.4kHzを持ち上げてレベルを大きくプッシュする設定を使っている。ファズ単体では音像が引っ込んでしまうという課題に対して、EQで抜けと音量を稼ぐという解決の仕方であり、フィードバックを録る場面でも用いられている。

Y-UPにも2人のギター周辺の登録は多く、SuhrのBadger 30、MarshallのJMP 2203、VOXのAC30HW2X、OrangeのPPC212といったアンプ/キャビネット類のほか、GibsonのES-335やFenderのTelecaster、EarthQuaker DevicesのHoof、Pro CoのRAT 2、Line 6のDL4 Delay Modeler、StrymonのblueSky、Chase BlissのThermae、EventideのH9、BOSSのPS-6 Harmonist、ProvidenceのPEC-2などを確認できる。オクターバーやファズ、複数のディレイを併用して空間を作る方向性がうかがえる内容になっている。

ベースの三島想平は、ベース・マガジンの機材紹介企画でペダルボードの中身を公開している。One ControlのChamaeleo Tail Loopでスイッチングを管理し、歪みは3段階に整理されている。Tech 21のSansAmp Bass Driver DI V2は基本的に常時オンで、ブレンドを上げすぎずドライブを強めに設定してプリアンプ兼歪みとして機能させ、テンポの遅い曲やナチュラルな音が欲しい場面でのみオフにする。Darkglass ElectronicsのMicrotubes B7K Ultraはディストーション・チャンネルを常時オンにしたうえでドライブをフルにし、ロー・ミッドを250Hz、ハイ・ミッドを1.5kHzに合わせて轟音パートを支える。さらにXoticのX-Blenderを介してEarthQuaker DevicesのPalisades Mega Ultimate Overdriveを接続し、ベース・ソロや高いポジションのサステインを強調する場面で歪み兼ブースターとして使う。チューナーは2台体制で、BOSSのTU-3W Chromatic Tunerを音を出したまま曲間でチューニングする用途に、KorgのPitchblack Customをミュート用に役割分担させている。Y-UPではこのほか、Microtubes B7KやDuality Fuzz、Gallien-Kruegerの700RB-II、FenderのCustom Shop Precision BassやMade in Japan Hybrid II Jazz Bassなども登録されている。

ドラムの久野洋平はCANOPUS DRUMSのエンドーサーで、メーカーの公式ページではBirchシリーズのキットが紹介されている。構成はバスドラム22インチ×18インチ、タム12インチ×8.5インチ、フロアタム16インチ×15インチで、シェル材の性格を活かした比較的オーソドックスなサイズ設定になっている。Y-UPでも同じBirchのキットに加え、BB-1465やZelkova Snare Drumといったスネア、シグネチャー仕様のYohei Kuno Model、TAMAのSpeed Cobra 910などを確認できる。

ケーブル類については、Oyaide Elec.のNEOブランドが公開しているアーティスト・レビューに三島と辻が登場している。三島はEcstasy Cableについて、ベースで前に出したい帯域がスムーズに出てくる感覚があると評価しており、辻はギター側にEcstasy Cable、アンプ側にQAC-222Gという組み合わせをライブで使用し、過去にはQAC-202Gも使っていた。Y-UPにもこれらのケーブルが登録されており、機材選びが歪みやアンプだけでなく信号経路の細部にまで及んでいることが分かる。