POLPO
- メンバー
- 2人
- 掲載している機材
- 67点
サポートメンバーを含む場合があります。
POLPO(ポルポ)は、Pay money To my PainのギタリストPABLOと、同バンドおよびThe BONEZでドラムを担当するZAXの2人によるオルタナティブミュージックのグループで、2017年に活動を開始した。PABLOはギターに加えてボーカルも担う。POLPOはイタリア語でタコを指す言葉で、2人が育った兵庫県宝塚市中山五月台にあった、コンクリートをタコの形に固めた遊具のある公園が発想の出発点になっている。ライブは2人にサポート奏者を加えた編成で行われてきた。
2人が出会ったのは小学1年のときで、翌年に同じクラスになって親しくなった。PABLOは7歳上の姉の影響で1980年代のアメリカのヒットチャート系の洋楽に親しみ、その姉がギターを始めたことをきっかけに小学5年ごろから楽器に触れ始めた。ZAXの父は指揮者、母はピアノとマリンバの指導者で、家ではドラムロールが日常的に鳴っていたという環境だった。小学5年の音楽会でZAXが小太鼓を担当し、その技量にPABLOが驚いたことから、放課後に2人でギターとドラムを合わせるようになる。中学ではLUNA SEAの「ROSIER」などをコピーし、修学旅行では2人で作った曲を初めて人前で演奏した。
高校に入ると4人編成でオリジナル曲を作り始め、Metallicaのコピーを経てより激しい方向へ進んでいった。1年から2年にかけては毎月のようにライブを行い、スタジオにも週に2、3回入っていた。高校を出たのちにその4人組は解散し、ZAXは就職で先に上京、PABLOも別のバンドで東京へ出て、しばらく別々に活動する。再び同じバンドに立つのは、2004年にK(ボーカル)を中心に結成されたPay money To my Painでドラマーを探していたPABLOが、ZAXに声をかけたことによる。同バンドは2006年12月にシングル「Drop of INK」でメジャーデビューし、2008年にK、PABLO、T$UYO$HI、ZAXの4人編成となったが、2012年12月30日にKが急逝している。
POLPOの直接のきっかけになったのは、2016年12月に発売されたPay money To my Painのデビュー10周年記念ボックスセットの制作で2人が顔を合わせる機会が増えたことだった。知り合って30年になる2017年に何かを形として残そうという話から動き出し、同年6月と7月に2泊3日の合宿を2回行って制作を進めた。エンジニアと鍵盤奏者を伴い、あらかじめ方向性を決めず、ジャムで生まれた響きをその場で広げてレコーディングするという作り方で、この2回の合宿でアルバムの半分ほどにあたる曲が形になった。ユニットの始動は2017年11月1日に発表された。
最初の公の場は2017年12月7日、東京・shibuya eggmanで行われた「POLPO SHOWCASE LIVE "PWYW"」である。ライブを観たうえで観客が終演後にチケット料金を決めて支払うPay What You Want(PWYW)方式が採られ、「30 Steps」「encore」「Night Cafe」「Wings of Black」「Sleeping Bug」に、アンコールの「in the mountain」を加えた6曲が演奏された。
ファーストアルバム「peels off」はTOWER RECORDSからのリリースで、2018年1月20日にCDとアナログ盤、オリジナルTシャツをセットにした888セット限定生産の特別限定盤(品番TRJC-1073、TRJC-1075、TRJC-1076)が先行し、1月24日に通常盤CD(品番TRJC-1074)が発売された。収録は「30 Steps」「in the mountain」「encore」「Rhaphidophoridae」「Night Cafe」「Wings of Black」「Sleeping Bug」「Manhunt」「White Painted Johnny」「A fool born in April」の10曲で、総収録時間は40分13秒。2019年2月15日にはロスレスを含む形でデジタル配信も行われた。
サウンドは、静かな響きから激しさへ移っていく展開、PABLOの浮遊感のあるボーカル、歌のないインストゥルメンタル、ノイズを前面に出した終盤の展開などを含み、1枚の中で振れ幅が大きい。PABLOが自身の聴取歴として挙げているのはNirvana、The Smashing Pumpkins、Metallica、レニー・クラヴィッツ、初期のX JAPANやLUNA SEAといった名前で、POLPOでは互いに教え合って好きになった音楽を素直に出すという作り方が取られた。オルタナティブという言葉については、メインストリームとは別の場所で個人の心の欠けた部分に合う音楽が見つかる、という捉え方が示されている。
ライブでは、PABLO(ボーカル、ギター)とZAX(ドラム)に、SACHIKO(ギター、コーラス/MAISON "SEEK"、FLiP)、藤本ひかり(ベース/赤い公園)、堀向彦輝 a.k.a. hico(キーボード)を迎えた5人編成が組まれた。アルバムのレコ発として2018年3月1日に東京・渋谷WWW、3月4日に大阪・心斎橋SUNHALLで「PWYW LIVE 2018 "peels off"」が開催され、ここでもPWYW方式が採用された。3月1日の東京公演では、Mogwaiの「Glasgow Mega-Snake」、The Cinematic Orchestraの「Child song」、Pixiesの「Gigantic」、SACHIKOが所属するMAISON "SEEK"の「心波」といったカバーに加え、Pay money To my Painの「Ligarse」をPOLPO流にアレンジして演奏。ZAXが作った新曲「ハーフォ ファーホ」も披露され、アンコールではPABLOが1人でステージに立ち、ギター1本で「A fool born in April」を演奏した。
2019年1月には「POLPO TOUR 2019 "AGAIN..."」として、1月12日に渋谷WWW、1月26日に心斎橋SUNHALLでワンマンライブが行われた。東京公演は開場17時、開演18時、チケットは全自由4,000円(税込、1ドリンク別)という設定で、企画・制作はlittle oasisが担当した。
機材面では、PABLOのギターとしてdragonflyのMaroon666 RED DEVILが知られる。ボディはハードメイプルトップにマホガニー、ボルトオン構造で、ネックはハードメイプル、指板はパウフェロ、スケールは666mmで24フレット、ピックアップはDiMarzioのD Sonic、チューニングはDrop Cという仕様を持ち、この個体を基にしたモデルが2019年にG-CLUB SHIBUYAで受注生産された。エフェクターでは、イギリスのブティックメーカーHudson Electronicsと、ブラジルの楽器アクセサリーメーカーIBOXの国内使用アーティストとしてPABLOの名が挙げられており、Broadcast AP-IIやSidecar、Broadcast Dual Foot Switch、IBOXのDAMPERといった製品が紹介されている。Y-UPでもPABLOの登録機材としてMaroon666 RED DEVILやBroadcast AP-II、Sidecarのほか、多数のエフェクターを確認できる。
ZAXはDWのカスタムドラムを使用しており、Y-UPにもCollector's Series MapleやZildjianのZ Custom Crash、Z Custom Chinaなどが登録されている。ドラム専門媒体が足元を捉えた企画では、ツイン・ペダルを両足で踏み分けつつ、スネアを叩くタイミングでバスドラムを抜いてバックビートの輪郭を立てる組み立てや、細かいフレーズでのスライド奏法、ブレイク中も左足で4分を刻み続ける動きが取り上げられている。POLPOのライブでは、終盤に演奏者それぞれがエフェクターを操作して混沌とした音像を作る場面もあった。
メンバーの別活動として、PABLOはPay money To my Painの活動停止後、幅広いジャンルのライブサポートや作編曲を手がけ、The Ravensのギタリストとしても名を連ねる。2018年には椎名ひかりの「hate!hate!hate!」をサウンドプロデュースし、2019年には金子ノブアキが立ち上げたRED ORCAに参加、2020年にはLiSAのアルバム「LEO-NiNE」のリード曲「play the world! feat.PABLO」にフィーチャリング・ボーカルとして加わった。ZAXはThe BONEZのドラマーとして活動するほか、Charのサポートや、T$UYO$HIとともにスクウェア・エニックスの音楽プロジェクトDEATH MARCHのサポートを務め、2025年12月には新体制のHi-STANDARDのドラマーとして東京・新代田FEVERのステージに立った。