BAND / TRICOT

tricot

メンバー
4人
掲載している機材
71点
メンバーMembers 4人

サポートメンバーを含む場合があります。

バンド紹介About

tricot(トリコ)は、中嶋イッキュウ(ボーカル/ギター)、キダ モティフォ(ギター/コーラス)、ヒロミ・ヒロヒロ(ベース/コーラス)、吉田雄介(ドラムス)の4人編成のロックバンドで、2010年9月1日に京都で結成された。変拍子や予測しにくい展開を含む曲構成と、ポップな歌メロやコーラスを組み合わせたサウンドを軸に活動しており、ギターは中嶋とキダの2本体制を取る。

結成時のメンバーは中嶋イッキュウ、キダ モティフォ、ヒロミ・ヒロヒロの3人で、結成直後に自主レーベル「BAKURETSU RECORDS」を立ち上げている。2011年5月にドラマーのkomaki♂が正式に加入して4人編成となり、しばらくはこの体制で音源制作とライブを重ねた。レーベル運営を自分たちで抱えたまま全国規模へ活動を広げていった点が、初期の活動形態の特徴になっている。

インディーズ期には、2013年に1stフルアルバム『T H E』、2015年に『A N D』、2017年5月に『3』と、3枚のフルアルバムを自主レーベルから発表した。2019年にはエイベックス傘下のcutting edgeからのメジャーデビューが発表され、あわせて自分たちのレーベル「8902 RECORDS」を設立。メジャー1作目となるシングル「あふれる」を2019年9月25日にリリースしている。メジャー移籍後も自分たちのレーベル名義を持ち続ける形が続いており、インディーズ期の活動スタイルがそのまま引き継がれた格好になっている。

メジャー移籍後の1stアルバム『真っ黒』は2020年1月29日に発売され、同年10月21日には結成10周年に合わせたアルバム『10』が続いた。『10』は前作からおよそ9か月という短い間隔でのリリースで、収録曲にはtricot結成前に作られていた曲も含まれている。2021年12月15日にはアルバム『上出来』、2022年12月14日にはアルバム『不出来』を発表。『不出来』はDisc1に12曲、Disc2にその全曲のインストゥルメンタルを収めた2枚組で、それまで収録曲に選ばれてこなかった曲を中心にアレンジし直す形でまとめられた。同作に収められた「エンドロールに間に合うように」は、MBS/TBS系ドラマ『liar』のオープニング主題歌として書き下ろされた曲である。

編成は一度大きく変わっている。2014年3月にドラマーのkomaki♂が脱退し、以降はオリジナルメンバー3人にサポートドラマーを迎える形で活動を続けた。その中でサポートを務めていた吉田雄介が2017年11月15日に正式メンバーとして加入し、4人編成に戻っている。吉田は奈良県の出身で、高校在学中にドラムを始め、大阪音楽大学を経てドラマーとしての活動を本格化させた人物で、tricot加入後もさまざまなアーティストのライブサポートやレコーディング、ドラマ・映画・ゲームの劇伴演奏に関わっている。

楽曲は、細かく動くリズムと拍子の切り替え、2本のギターの絡み、メンバーによるコーラスワークを組み合わせたものが多い。ベースのヒロミ・ヒロヒロは、ベース・マガジンのインタビューで、歌メロを基準にフレーズを組み立てることが多いこと、バンド全体としてベースの音量を大きめに設定するのを好むことを説明している。録音の作り方にも特徴があり、アルバム『上出来』では基本的に一発録りに近い方法が採られ、クリックをほとんど使わずに録音された。エフェクトはミックス段階でプラグインを足すのではなく、演奏時にペダルでかけ録りする比重が高い。同作はFLOAT、prime sound studio form、aLIVE RECORDING STUDIOなど複数のスタジオで録音され、采原史明、三浦カオル、益子樹、大竹悠太らがエンジニアとして参加している。

ライブは国内外で行われており、海外公演の比重が大きい。2022年9月にはイギリスのシェフィールドを起点に、約4年ぶりとなる海外ツアーを実施し、およそ30日間で10か国20会場を回った。この行程にはパリ、マンチェスター、バルセロナなども含まれている。国内では『不出来』のリリース後に全国ツアー「Zang-Neng tour 2023」を行い、2023年1月8日の福岡BEAT STATIONを皮切りに、仙台CLUB JUNK BOX、名古屋、金沢、大阪梅田CLUB QUATTROなどを経て、2月12日の恵比寿LIQUIDROOMで最終公演を迎えた。

機材面では、ギターのキダ モティフォがAltero Custom Guitarsのオーダーモデルを長く使っている。中心となるAstra KID-Aは2012年に製作されたストラトキャスター型で、ボディはアルダー、ネックはハードメイプル、ブリッジはCallahamのハードテイル、ピックアップはVanzandtのTRUE VINTAGE、そしてリアピックアップとトーンコントロールを省いた配線が特徴になっている。弦はD'Addarioの.010〜.046。後に加わったAstra KID-A Mk-IIはライトアッシュボディにVooDoo Pickupsを載せ、トーンコントロールを備えた仕様で、1本目より太めの音として使い分けられている。このほかFender Made in Japan Troublemaker TelecasterやMade in Japan Hybrid II Jazzmasterも曲に応じて持ち替える。アンプはFender 57 Custom Twin-Ampで、BRIGHTチャンネルを使ったセッティングが取られている。

キダのペダルボードは、常時オンにしたLee Custom Amplifier 12AU7 Buffer + Boosterから、Free The ToneのスイッチャーARC-53M、Line 6のHX Stompを経てアンプへ送る組み方になっている。歪みはVemuramのGaleaを主軸に、Electro-Harmonix Soul Foodや、自身のシグネチャーモデルであるAltero Custom GuitarsのオーバードライブKAEDEを重ねる。空間系はElectro-Harmonix Memory ToyとBOSS DD-5 Digital Delay、その場でのループ作成にBOSS RC-20XL Loop Station、モジュレーションやファズにLine 6 M9 Stompbox Modelerという役割分担で、One Control Minimal Series AB Boxによる別アンプへの分岐、KORG Pitchblack Advanceでのチューニング、Free The Tone PT-3Dからの電源供給、Morningstar MC6 MKIIによるHX Stompの切り替え操作も組み込まれている。HX Stompはオートワウやモジュレーションの音源として使われ、「#アチョイ」のリフでも用いられた。ソフトシンセのような音をギターで出すという発想からマルチエフェクターの活用を広げており、レコーディングでもM9でかけ録りしている。Y-UPには、電源部のVital Audio Power Base VA-15 ACなど、この周辺の機材も登録されている。

ベースのヒロミ・ヒロヒロは、中古で入手して修理した真空管ヘッドAguilar DB359をアンプに用い、太く量感のある低音を狙った音作りを行っている。足下ではBOSS PH-3 Phase Shifter、BOSS CEB-3 Bass Chorus、Tech 21のSansAmp系プリアンプ、ZOOMのベース用マルチなどを組み合わせ、『上出来』の制作ではVan Zandtのジャズベース・タイプを弾いている。Y-UP側には、Wood Custom Guitars JB Type、Darkglass Electronics Microtubes B7K Ultra、Origin Effects BassRig Super Vintage、Tech 21 SansAmp Bass Driver DI V2といったベース周りの機材も登録されている。

ドラムの吉田雄介は、CANOPUSのMahoganyシリーズを22インチのバスドラム、13インチのタム、16インチのフロアタムというサイズで組み、ブルー・オイスターのカバリング仕上げで使用している。スネアは1970年代のLudwigの14×6.5インチをメインに、サイドスネアとしてSONOR SQ2 Heavy Beech Snareの14×6インチを加える。シンバルはZildjianのK Sweetシリーズを中心にまとめ、15インチのハイハット、18インチのクラッシュ、23インチのライド、22インチのK Cluster Crashという構成を取る。タムはスネアとの高低差をできるだけ小さくし、バスドラムと接触しない位置に配置される。Y-UPでは、Ludwig Supraphonic LM402やCANOPUS YAIBA II Groove Kit、DW 5000なども登録機材として確認できる。

メンバーはバンド本体とは別の場でも活動しており、中嶋イッキュウはジェニーハイのボーカルを務めるほか、自身の名義でソロ作品を発表している。