BAND / GENIE HIGH

ジェニーハイ

メンバー
5人
掲載している機材
70点
メンバーMembers 5人

サポートメンバーを含む場合があります。

バンド紹介About

ジェニーハイは、ボーカルの中嶋イッキュウ(ステージではギターも持つ)、ギターとプロデュースを担う川谷絵音、ベースのくっきー!、ドラムの小籔千豊、キーボードの新垣隆による5人組のバンドである。お笑い芸人、ロックバンドのボーカリスト、複数のバンドを率いるソングライター、クラシックの素養を持つ作曲家という、経歴のまったく異なる5人が同じ編成に並んでいる。楽曲の制作とプロデュースは川谷絵音が担い、演奏は5人編成のバンドサウンドを基本としている。

出発点はBSスカパー!のバラエティ番組『BAZOOKA!!!』にある。番組の知名度を上げるためのバンドプロジェクトとして2017年7月に始動し、同年10月にバンド名がジェニーハイであることが発表された。核になったのは番組にレギュラー出演していた小籔千豊、くっきー!、中嶋イッキュウの3人で、当初は3ピース編成をやろうという番組スタッフの提案から動き出している。ただし企画で終わらせず本気のバンドとして成立させるには演奏面の補強が要ると判断され、プロデューサーとして川谷絵音が、鍵盤奏者として新垣隆が加わって5人編成が固まった。新垣隆の参加は小籔千豊の推薦によるもので、腕の立つキーボーディストとして名前を挙げたことがきっかけになっている。結成にあたっては『ミュージックステーション』への出演と音楽フェスへの参加が具体的な目標として掲げられた。

音源としての第一歩は、2018年3月16日に配信リリースされたデビュー曲「片目で異常に恋してる」だった。ジャケットにはくっきー!が描き下ろしたメンバーの似顔絵が使われ、公式YouTubeチャンネルではメンバーが出演する無声映画風の映像も公開されている。同じ2018年には1枚目のミニアルバム『ジェニーハイ』が発表され、収録曲「ジェニーハイのテーマ」では新垣隆までがラップを担当するなど、企画性と演奏の本気度を同居させた内容になった。作品はワーナーミュージック・ジャパンのレーベル、unBORDEからリリースされている。

初のフルアルバム『ジェニーハイストーリー』は2019年11月27日に発売された。全10曲を収録し、通常盤に加えて2枚組CDとDVDを組み合わせた初回限定盤が用意され、ディスク2には各曲のインストゥルメンタルと、川谷絵音がボーカルを取ったバージョンが収められている。DVDにはミュージックビデオのメイキング映像と「プリマドンナ」のミュージックビデオが入る。制作の面では、5人のスケジュールを合わせること自体が大きな負荷になっていたこと、そして1曲ごとに演奏の難易度を上げながらレコーディングを進めていく方針が取られていたことが、バンド側から語られている。

2枚目のフルアルバム『ジェニースター』は2021年9月1日に発売された。全12曲・およそ41分の構成で、「華奢なリップ」「夏嵐」から幕を開ける。通常盤のほか、DVD付きとBlu-ray付きの初回限定盤が用意された。3枚目のフルアルバム『ジェニークラシック』は2023年に発表され、CDは同年7月12日に発売、Tシャツを同梱した完全生産限定盤、Blu-ray付きとDVD付きの初回生産限定盤という複数の形態が組まれている。配信シングルも継続して発表されており、「エクレール」(2022年)、「PEAKY」(2022年)、「超最悪」(2022年)、「モンスター feat.yama」(2023年)、「ノーメイクスター feat.詩羽」(2024年)、「あの夏が癖になっていく」(2025年)などがある。ゲストボーカルを迎えた楽曲が定期的に置かれるのも、このバンドの制作スタイルのひとつになっている。

音楽性は川谷絵音の作編曲を軸にしたポップスとロックで、番組発という出自にもかかわらず、楽曲そのものにお笑いの要素は持ち込まれていない。デビュー曲「片目で異常に恋してる」では2番のサビの後に現代音楽を思わせる展開が意図的に組み込まれており、ポストロックやバトルスを通ってきた川谷絵音の耳と、新垣隆が持つクラシック・現代音楽の語彙が同じ楽曲の中で交差する構造になっている。ラップを取り入れた曲が多いのも特徴で、『ジェニーハイストーリー』では自己紹介的な内容の「ジェニーハイラプソディー」をはじめ、メンバーがマイクを取る場面が繰り返し現れる。その一方で、結婚式で歌える曲を作りたいという明確な意図のもとに書かれたバラード「まるで幸せ」のような楽曲も同じアルバムに並んでおり、振れ幅の大きさがそのまま作品の構成になっている。

ライブ面では、アリーナ規模の公演を収めたライブ映像作品『アリーナジェニー』が2022年1月26日にBlu-rayとDVDで発売されている。テレビの音楽番組への出演もあり、2018年の『FNS歌謡祭』には初出演を果たしている。

機材については、ドラムを担当する小籔千豊の使用機材が専門誌のインタビューで詳しく取り上げられている。ドラムセットはPearlに特注したもので、タムをバスドラムから立てるセッティングにすること、フィニッシュを黄色にすることを本人が指定して作られた。スネアドラムもPearl製で、ペダルやスティックについても選んだ結果としてPearlで揃う形になっている。演奏の準備の仕方も具体的で、レッスンに通いながら基礎練習を反復し、送られてきたデモ音源に合わせて叩き込むという手順が繰り返された。レコーディングでは川谷絵音のディレクションのもと、フレーズを細かく詰めていく進め方が取られている。ベースのくっきー!はもともとギターを弾いていた経験があり、ベースへの持ち替えでも吸収が早かったことがバンド内で語られている。レコーディング前には仕事の合間を縫って連日スタジオに入るという準備が組まれ、演奏の精度を上げてから本番に臨む形が取られた。

ギターについては、ギター・マガジン2021年10月号で川谷絵音が表紙特集となり、ジェニーハイでのギターの弾き方、愛用ギターのギャラリー、ペダルボードの内訳、そして『ジェニースター』収録曲のギターパートの解説がまとめられた。同特集ではFano GF6を筆頭に11本のギターが紹介されている。Y-UPでは、ジェニーハイに紐づく使用機材として、Fender JazzmasterやB-Bender Telecaster、American Professional II Stratocaster、Gibson Les Paul Junior TVやNon-Reverse Firebird I、Gretsch 6196 Country ClubやHagstrom Impalaといったエレクトリックギター、National DuolianやGibson L-48、K.Yairi YP-2などのアコースティックギター、FenderのPrecision BassとJazz Bass、PearlのMasters Maple ReserveとReference Series Snare Drum、SABIAN HHX Hi-HatsやHHX Medium Crashといったシンバル、Roland RD-700NXとHAMMOND XK-3cという鍵盤楽器まで、5人分のパートに対応した登録を確認できる。

メンバーはそれぞれジェニーハイ以外の場を持っている。川谷絵音はゲスの極み乙女やindigo la Endなど複数のバンドを率いるソングライターであり、中嶋イッキュウはtricotのボーカリストとして活動している。くっきー!は野性爆弾、小籔千豊は吉本新喜劇の座長を務めたお笑い芸人であり、新垣隆は作曲家・ピアニストとしてクラシックや映画音楽の領域で活動している。これらはバンド本体の歴史とは別の文脈にあるが、5人の出自がそれぞれ違うことが、そのままジェニーハイという編成の成り立ちを説明している。