中村佳穂
- メンバー
- 2人
- 掲載している機材
- 57点
サポートメンバーを含む場合があります。
中村佳穂(なかむら かほ)は、歌とピアノ/キーボードを軸に活動する日本のミュージシャンで、1992年5月26日生まれ、京都を拠点としている。固定メンバーによるバンドという形を取らず、ソロ、デュオ、バンドと編成を流動的に変えながらライブと制作を重ねてきたのが大きな特徴で、バンド編成での公演には「中村佳穂BAND」の名義も使われる。制作面では、レミ街の荒木正比呂と、吉田ヨウヘイgroupなどで知られるギタリスト西田修大が、複数作にわたって中核を担ってきた。
京都精華大学人文学部に進学し、在学中の20歳ごろから本格的に音楽活動を始めた。当初から特定のバンドに所属するのではなく、各地のミュージシャンとセッションを重ねる形でライブ活動を展開している。2016年に1stアルバム『リピー塔がたつ』を発表し、同年にはFUJI ROCK FESTIVALのステージにも立った。このフジロックでの体験、とりわけサウンドメイキングそのものへの関心が、次作の制作方針に直結していく。
2018年、SPACE SHOWER MUSIC内に自身のレーベル「AINOU」を立ち上げ、同年11月7日に2ndアルバム『AINOU』をリリースした。同作は、後藤正文が設立した音楽賞「APPLE VINEGAR -Music Award-」の第2回大賞に選ばれている。2019年7月3日には配信シングル「LINDY」を発表。2022年3月22日には3rdアルバム『NIA』をリリースし、荒木正比呂と西田修大が共同で制作を担った。
『AINOU』は、荒木正比呂と、同じくレミ街の深谷雄一に本格的なサウンドメイクを依頼するところから始まった。制作は短期集中ではなく、1年ほどの検証期間を挟みながら進められ、ビートミュージック的な感覚を持つメロディーラインの探求と、聴きやすいポップな仕上がりの両立が目標に置かれた。参加メンバーには西田修大や、CRCK/LCKSの小西遼らが名を連ね、レミ街、CRCK/LCKS、吉田ヨウヘイgroupといった異なるバンドの奏者が集まるバンド編成でレコーディングが行われている。ソウル、ジャズ、フォークなどの要素がジャンルの区分に沿わない形で同居する音像は、この編成の成り立ちと結びついている。
2021年には、細田守監督のアニメーション映画『竜とそばかすの姫』でヒロインのすず/ベル役を務め、声の演技と歌唱の双方を担当した。劇中では「歌よ」「心のそばに」「はなればなれの君へ」などを歌い、メインテーマ「U」も担っている。同年末には第72回NHK紅白歌合戦に出演し、MILLENNIUM PARADE × Belle の名義で「U」を披露した。同じ2021年の12月には、ロームシアター京都での単独ライブが行われ、生配信も実施されている。
『NIA』の制作では、中村佳穂・荒木正比呂・西田修大の3人がDAWをBitwig Studioに統一し、Dropbox上でプロジェクト・ファイルを共有して各自がアイディアを書き込んでいくリモート体制を採った。一方で定期的に合宿を行い、そこでのラフなセッション録音を本編にそのまま残す場面もあり、宅録的な作り込みと生演奏の勢いを併存させる方法が採られている。ドラムについても、生演奏にサンプルを重ねるレイヤリングが行われた。
機材面では、荒木正比呂がシンセとプログラミングを担当し、サンプルを素材にしたシンセであるNATIVE INSTRUMENTS Form、ストリングス音源のSPITFIRE AUDIO Originals Intimate Strings、ベース処理に用いたPLUGIN ALLIANCE Ampeg B-15Nなどを使用している。西田修大はギターに加えてベースとプログラミングも担い、FENDER Bass VIでベースリフを弾き、XFER RECORDS OTTやDEVIOUS MACHINES Infiltratorによる加工を施している。中村佳穂本人は歌と鍵盤を受け持ち、Y-UPではRoland RD-700NX、RD-700SX、RD-700GXといったステージピアノや、Moog Grandmotherなどの使用機材を確認できる。