MIYAVI
- メンバー
- 2人
- 掲載している機材
- 50点
サポートメンバーを含む場合があります。
MIYAVI(ミヤヴィ)は、ギタリストでシンガーソングライターの石原貴雅によるソロ名義である。ピックを持たず指でギターを叩くように弾く「スラップ奏法」を軸に、ロックへエレクトロやヒップホップ由来のビートを組み合わせたサウンドを鳴らす。1981年9月14日生まれ、大阪出身。2002年からソロとして活動しており、ライブではサポートミュージシャンを迎えたバンド編成で演奏する形を採ってきた。
音楽活動の出発点はバンドだった。1999年、17歳のときにヴィジュアル系バンドDué le quartzのギタリストとして加入し、当時は「雅」名義で活動している。同バンドは2002年に解散し、これを機にソロへ移行した。ソロ転向後は「雅-MIYAVI-」と名乗り、2002年10月にインディーズのPS COMPANYから最初のソロ作品を発表。ギターを打楽器のように扱う奏法と、和のニュアンスを持ち込んだ楽曲で、バンドシーンとは別の立ち位置を作っていった。
2004年にメジャーへ移行し、以降はユニバーサルミュージック系列から作品を発表している。2005年のアルバム『Miyavizm』、2008年の『This Iz the Japanese Kabuki Rock』など、日本的なモチーフを前面に出したタイトルを重ね、2010年には『What's My Name?』をリリースした。2013年にはセルフタイトル作『MIYAVI』を発表し、この時期に表記から漢字を外して「MIYAVI」へ統一している。レーベルはユニバーサルミュージック傘下のVirgin Music、マネジメントはLDH JAPANが担っている。
作品ごとに制作の座組みを変えているのも特徴で、2015年の『The Others』はナッシュビルとロサンゼルスでのレコーディングを経て完成した。2016年には『Fire Bird』を発表。その後も『NO SLEEP TILL TOKYO』『Holy Nights』といったアルバムを重ねている。2021年9月には13枚目のオリジナルアルバム『Imaginary』をリリースし、ニュージーランド出身のシンガーKimbra、韓国のカン・ダニエルらが参加した。同作ではアートワークとミュージックビデオをクリエイティブチームのPERIMETRONが手がけている。国内外のプロデューサーやアーティストと組む姿勢は一貫しており、コラボレーションを主眼に置いた「SAMURAI SESSIONS」名義のシリーズも継続的に発表されてきた。
ソロ名義であるため、固定のバンドメンバーを置かずサポート編成でステージに立つ。ドラマーのBOBOはその代表的な一人で、54-71のメンバーとして活動する一方、MIYAVIのサポートを長く務めてきた。ほかにもTK from 凛として時雨やくるり、フジファブリックの現場に参加している奏者で、MIYAVIのビート主体の楽曲を支える役割を担っている。
サウンドの核はギターの奏法そのものにある。弦を指で叩き、引っ掛けて鳴らすスラップのアプローチは、三味線の音の立ち上がりから発想を得たもので、エレキギターで三味線のような「三本弦の感触」を出すことを狙っている。単音のリードよりもリズムを刻むカッティングとアーム操作を組み合わせ、ギター1本でバッキングとフックの両方を成立させる作りが多い。ボーカルとギターを同時に担うため、コード感よりもリズムとフレーズの反復で曲を推進させる構成が目立つ。プロデューサーのTerry Lewisから受けた「メロディは時代を超え、リズムは時代を作る」という考え方も、ビートを軸に据えた制作姿勢に反映されている。
ライブ活動は早い段階から国外へ広がった。2014年の「SLAP THE WORLD TOUR 2014」は2月22日のクアラルンプール公演で幕を開け、アジア・ヨーロッパ・北中米の16都市を回ったのち、国内24都市を巡っている。このツアーの模様は『MIYAVI, The Guitar Artist -SLAP THE WORLD TOUR 2014-』として映像作品化された。以後もワールドツアーを重ね、約30か国での公演を積み上げている。
機材面では、Fenderとの結び付きが長い。2016年に入手したFender Custom Shop製のテレキャスターをレコーディングとライブの中心に据えており、この個体を出発点として本人監修のシグネチャーモデル「MIYAVI Telecaster」が2020年に登場した。同モデルはテレキャスターとしては珍しいHSSに近い3ピックアップ構成で、フロントにサステイナー・ドライバー、センターにAmerican Vintage '65ストラトキャスター用シングルコイル、リアにSeymour DuncanのLittle '59 Teleハムバッカーを搭載する。ブリッジにはSuper-Vee「Maverick」を採用し、テレキャスターの構造を保ったままアームによるビブラートをかけられるようにしている。ボディはアルダー、ネックはメイプル、指板はローズウッドで、サステイナー・ドライバーはボディ直付けという仕様になっている。
Y-UPには、このシグネチャーモデルに加えて、Fenderの「Custom Shop Telecaster」やエレアコの「American Acoustasonic Telecaster」といったギター、Marshallの「JCM2000 DSL100」やFenderの「Twin Reverb」などのアンプが登録されている。足元まわりの登録も幅広く、DigiTechの「Whammy (5th Gen)」やMorpheusの「DropTune」といったピッチシフト系、Z.Vexの「Fuzz Factory」やPete Cornishの「NG-3」などのファズ、BOSSの「BD-2 Blues Driver」やIbanezの「TS808HW」といったオーバードライブ、Eventideの「H9」や「TimeFactor」などの空間系が並ぶ。加えてProvidenceの「PEC-2」によるスイッチング、Free The Toneのジャンクションボックスやパワーサプライ、Sennheiserの「EM 2050」といったワイヤレスまで確認でき、ギター1本で複数の役割をこなすためにシステム化されたセットアップであることがうかがえる。Rolandのサンプラー「SP-555」やAmpegの「SVT-3PRO」といった、ギター以外の音源・機材の登録もある。
バンド活動と並行した別プロジェクトも多い。2007年にはYOSHIKI、GACKT、SUGIZOとともにアメリカを拠点とするバンドS.K.I.N.を結成し、同年6月29日にカリフォルニア州ロングビーチのLong Beach Arenaで行われたAnime Expoでデビュー公演を実施した。俳優としては、2014年公開のアンジェリーナ・ジョリー監督作『Unbroken』で渡辺睦裕役を演じて映画デビューし、以降もハリウッド作品に出演している。人道支援の分野では、2017年11月に日本人として初めてUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使に任命された。