BAND / HATA MOTOHIRO

秦基博

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バンド紹介About

秦基博(はた もとひろ)は、アコースティックギターの弾き語りを軸に活動する日本のシンガーソングライターである。1980年10月11日に宮崎県日南市で生まれ、神奈川県横浜市で育った。バンド編成ではなく個人名義での活動で、作詞・作曲・歌唱・ギターをすべて本人が担う。所属はオフィスオーガスタ。デビュー時に付けられた「鋼と硝子で出来た声」という表現とともに知られ、叙情的な歌詞とアコースティックギターを土台にしたポップスを一貫して発表している。

音楽との接点は中学時代にさかのぼる。6歳上の長兄が数千円で譲り受けてきたギターを弾かせてもらったことがきっかけで、法政大学第二高等学校在学中に初めて人前での演奏を経験した。法政大学経営学部に進学したころから横浜のライブハウスF.A.D YOKOHAMAに出演するようになり、ここが活動の出発点となる。2004年1月にはインディーズのミニアルバム『オレンジの背景の赤い静物』をADD NINE RECORDSから発表した。2005年の暮れ、ライブハウス出演時にオフィスオーガスタのスタッフの目に留まり、2006年3月に同事務所へ所属することになる。

メジャーデビューは2006年11月8日、シングル「シンクロ」による。同曲は全国のFM局でのパワープレイ獲得数が43局に達し、当時の新記録となった。以後の音源のリリース元はBMG JAPAN、アリオラジャパンと移り、2017年からはユニバーサルミュージックに籍を置いている。

オリジナルアルバムは、2007年9月の1st『コントラスト』に始まり、2008年10月の『ALRIGHT』、2010年10月の『Documentary』、2013年1月の『Signed POP』、2015年12月の『青の光景』、2019年12月の『コペルニクス』、2023年3月の『Paint Like a Child』と続く。このうち『Documentary』は第4回CDショップ大賞で準大賞を受けた。ベストアルバムも複数あり、2014年10月の『evergreen』、2017年6月の『All Time Best ハタモトヒロ』、2021年3月の『evergreen2』が発表されている。『All Time Best ハタモトヒロ』は、本人にとって初めてアルバムのウィークリーチャート1位を獲得した作品となった。2024年11月には他アーティストとの共作を集めた『HATA EXPO -The Collaboration Album-』を発表している。

代表曲は映像作品とのタイアップを通じて広く知られたものが多い。2007年6月のシングル「鱗(うろこ)」は初期の代表曲として長く演奏され続けており、同年9月には「青い蝶」が続いた。2008年には「キミ、メグル、ボク」がテレビドラマ『イタズラなKiss』の主題歌に、「虹が消えた日」が映画『築地魚河岸三代目』の主題歌に起用された。2010年8月の「透明だった世界」はテレビアニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』のオープニング曲となっている。とりわけ広く浸透したのが2014年8月のシングル「ひまわりの約束」で、映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌として使われた。2017年5月の「Girl」はテレビドラマ『恋がヘタでも生きてます』の主題歌となり、NHK連続テレビ小説『おちょやん』の主題歌には書き下ろしの「泣き笑いのエピソード」が起用された。ほかに映画『ステップ』主題歌の「在る」、映画『ざんねんないきもの事典』主題歌の「サイダー」などがある。ベストアルバム『evergreen』では第56回日本レコード大賞の企画賞を受けている。

歌唱面の特徴として本人が挙げているのは、高音域と中低域とで響きの色合いが変わる点である。中学から高校にかけては他のアーティストの曲をコピーして歌うことが中心で、ギターを最初に覚えたのは長渕剛の曲だったという。高校時代にはMr.Childrenやエレファントカシマシをコピーし、トータス松本のブラックミュージックを消化した節回しからも影響を受けたことを語っている。発声練習やボイストレーニングを経ずに、18歳から20歳前後で自身の歌い方が固まっていったとも述べている。

ライブ活動は、2007年11月からの1st LIVE TOUR「CONTRAST」に始まる。2009年以降は「GREEN MIND」と題した弾き語り形式のライブを継続して開催しており、2024年5月にも東京と大阪でアコースティックライブを行った。2016年11月からはデビュー10周年のアリーナツアー「All The Pieces」を回り、2017年5月4日には横浜スタジアムで野外単独公演を開催して2万5000人を動員している。2021年11月にはデビュー15周年の記念公演を横浜アリーナと大阪城ホールで、同年12月にはオーケストラと共演する「Philharmonic Night」を日本武道館で開催した。2020年8月27日には、活動の原点であるF.A.D YOKOHAMAから無観客の配信ライブを行っている。

使用ギターの中心にあるのは、1966年製のGibson J-45である。メジャーデビュー直前の2006年に入手した個体で、チェリーサンバーストのボディに赤いピックガードを備え、ナット幅39mmの細いネックを持つ。セラミック製のアジャスタブルサドルを牛骨のサドルに交換して中音域の出方を整え、ピエゾ・ピックアップを搭載している。本人はこのギターについて、温かみのあるふくよかな中音域が持ち味だと説明しており、デビュー以来のメインギターとして使い続けている。2026年にデビュー20周年を迎えるまでの活動の大半が、この1本とともにある。

レコーディングでは1968年製のJ-50も併用しており、こちらはカラッとした鳴りで、より豊かな中音域が欲しい場面に充てられる。1960年代後期のSouthern Jumboは高音域から低音域までバランスよく鳴る個体として、1966年製のEpiphone Texan FT-79はライブ用として使い分けられ、Texan FT-79は「鱗」の演奏で用いられている。このTexan FT-79は俳優の大沢たかおが以前所有していた個体でもある。ほかにL-00、Dove、J-200といったギブソンのモデルも所有している。

シグネチャーモデルも複数存在する。オーストラリアのMatonからは、2013年の『Signed POP』期のツアーで使用していた個体をもとに、EBG808 ARTISTをベースとしたEBG808MH Motohiro Hata Signatureが製作された。ボディは14-1/4インチ幅に4-3/4インチの厚みを持ち、ネック幅は42mm。トップにソリッドのシトカスプルース、バックとサイドにソリッドのブラックウッド、ネックにセレクト・ブラックウッドを用い、ヴィンテージアンバーバーストのサテン仕上げが施されている。2025年10月にはGibsonが国内5人目のシグネチャー・アーティストとして認定し、前述の1966年製J-45を再現したHata Motohiro J-45 Murphy Lab Ultra Light Agedを発表した。モンタナのアコースティック工場で製作される100本限定モデルで、2025年11月8日に国内発売された。40mmのナット幅、17度のヘッド角、20フレットのインディアンローズウッド指板、オリジナルのマーブル模様を再現したピックガード、L.R. Baggs製のAnthemピックアップシステムなどを備える。

エレクトリックギターでは、横浜のKAMINARI GUITARSに本人がオーダーして生まれたSUNRISEを使用している。テレキャスタータイプのボディを持ちながら、ネックのグリップはメインのJ-45を意識して仕上げられ、ボディカラーもJ-45に合わせた落ち着いたサンバーストとされた。50本の完全限定生産で、本人が使用する個体は横浜中華街のショールームに展示されている。Y-UPでは、これらのギターに加えてJ-160E、KAMINARI GUITARSのAcoustic Cable、OyaideのQAC-212やFORCE'77Gといったケーブル類まで、使用機材として登録されている。アコースティックギターの生々しい鳴りをそのままステージへ届けることを重視した機材選びが、登録内容からもうかがえる。