Superfly
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Superfly(スーパーフライ)は、越智志帆をボーカリストとする日本のロック/ソウル系の音楽プロジェクトである。2004年に愛媛県松山市で、ギターの多保孝一と越智志帆による2人組ユニットとして始まり、2007年11月以降は越智志帆ひとりのソロ・プロジェクトとして活動している。1960年代から1970年代の洋楽ロック、ソウル、ブルースを土台にしたサウンドと、1984年2月25日生まれ、愛媛県出身の越智が持つ伸びのあるハイトーン・ボーカルが軸にある。ソロ名義でありながらライブは一貫してバンド・サウンドで、ギタリストの八橋義幸がバンドマスターを務める編成が組まれている。
二人が出会ったのは松山大学の軽音楽サークルだった。コピーバンド「フィソガー5」での活動を経て、2004年に多保が立ち上げたバンドへ越智がボーカルとして加わり、オリジナル曲を演奏するようになる。ユニット名は、アメリカのシンガーソングライター、カーティス・メイフィールドの楽曲「Superfly」に由来する。日本のポップスを聴いて育った越智は、多保に薦められたメイフィールドの音楽をきっかけに1960年代から1970年代のロックやソウルへ傾倒していった。2005年ごろには東京でのライブも重ね、2006年3月に活動拠点を東京へ移している。
メジャーデビューは2007年4月4日、ワーナーミュージック・ジャパンからのシングル「ハロー・ハロー」。ただし2人組としての活動期間は長くない。2007年11月、多保孝一はコンポーザー/アレンジャーに専念することを決めて表舞台での活動から退き、以後 Superfly は越智志帆ひとりのプロジェクトとなった。多保はその後も作曲者として楽曲に関わり続けている。
知名度を決定づけたのは、2008年2月27日発売のシングル「愛をこめて花束を」だった。TBS系ドラマ「エジソンの母」の主題歌に起用された曲だが、書かれたのはデビュー前で、それまでライブの終盤で演奏されながら音源化されていなかった楽曲である。作曲は多保孝一。主題歌への起用によって初めてシングルとして世に出た経緯を持つ。
2008年5月14日に発表された1stアルバム『Superfly』はオリコン週間アルバムランキングで1位を獲得した。以降、『Box Emotions』(2009年)、『Mind Travel』(2011年)、『Force』(2012年)、『WHITE』(2015年)、『0』(2020年)、『Heat Wave』(2023年)とオリジナル・アルバムを重ねている。2021年4月にはユニバーサルシグマへ移籍し、2025年6月には初のカバー・アルバム『Amazing』を発表した。
映像作品との結び付きが多いことも特徴で、「タマシイレボリューション」は2010年のNHKによるFIFAワールドカップ中継のテーマソング、「Force」(2012年)はテレビ朝日系ドラマ「ドクターX 〜外科医・大門未知子〜」の主題歌、「覚醒」(2019年)は劇場アニメ「プロメア」の主題歌、「フレア」はNHK連続テレビ小説「スカーレット」の主題歌に起用された。ドラマ主題歌はほかにも、2009年5月発売の「My Best Of My Life」がドラマ「BOSS」に、2019年の「Ambitious」がTBS系火曜ドラマ「わたし、定時で帰ります。」に用いられている。2018年の「Gifts」は第85回NHK全国学校音楽コンクール中学校の部の課題曲として書かれ、同年のNHK「みんなのうた」でも取り上げられた。2015年にはNHK紅白歌合戦へ初出場している。
ライブ活動では、2009年8月にニューヨーク近郊で開かれたウッドストック40周年記念のイベントに出演し、ジャニス・ジョプリンが在籍した Big Brother & The Holding Company と共演した。同年12月14日には日本武道館公演を行っている。一方で喉の不調による中断も経験しており、2016年7月に長期の治療のため夏のイベント出演を取りやめ、復帰は2017年11月15日、東京オペラシティ コンサートホールでのオーケストラ編成による「Superfly 10th Anniversary Premium LIVE "Bloom"」まで待つことになった。約1年8か月ぶりのステージだった。復帰後もアリーナ規模の公演を続けており、2019年秋には10か所15公演の「Superfly Arena Tour 2019 "0"」を回った。2025年には10年ぶりの全国ホールツアー「Superfly Hall Tour 2025 "Amazing Session"」を開催している。
音楽性の面では、洋楽ロックやソウル、ファンクの語法を日本語のポップスへ落とし込む書き方が続いている。越智は作詞にも関わっている。バンドマスターの八橋義幸は、突き抜けるハイトーンのロック・ボーカリストとしての資質がもともと備わっている一方で、低めの声域を生かした曲も増えてきていると、Superfly の歌の変化を説明している。
音作りの中心にいるのが、2009年からバンドメンバーとして参加している八橋義幸である。手持ちのギターはヴィンテージが多く、1971年製の Gibson の Les Paul Custom は Superfly の「Alright!!」やあいみょんの「マリーゴールド」といった場面で使われている。ほかに、Fender Japan製のネックと Fender Mexico製のボディを組み合わせて自ら組み上げた Telecaster Thinline、フロント側にピックアップを追加した1963年製の Fender の Esquire、1966年製の Jazzmaster と Jaguar、1968年ごろの Gibson の Firebird、Grinning Dog製のミニハムバッカーを載せた Gibson の Custom Shop Les Paul、1958年製の Gretsch の Duo Jet、1978年製の White Falcon などを使い分けている。
アコースティック側やバリエーションを担う楽器も幅広く、Y-UPでは Non-Reverse Firebird III のほか、Martin の 000-28、Gibson の J-50、Rickenbacker の 360/12C63、Teisco の SM-2L、Star's の Electric Sitar ELS-1 といった使用機材を確認できる。足元では Barber Electronics の Direct Drive や Tone Press、Fulltone の Full-Drive 2 や Supa-Trem、Crowther Audio の Hot Cake、Pro Co の The Rat、Xotic の RC Booster、Strymon の Volante、Roger Mayer の Voodoo-Vibe などが並び、The GigRig の QuarterMaster QMX-4 でルーティングを、Free The Tone の PT-3D で電源をまとめる構成が登録されている。
メンバーの別活動としては、多保孝一が2007年の転向以降、作曲家・編曲家として制作側に回っている。八橋義幸はあいみょん、堂島孝平、BONNIE PINK などのサポートやアレンジも手掛けており、2008年のアイルランド留学を機に The Uranus を結成し、英語詞での作曲とボーカルを担当している。