ZAZEN BOYS
- メンバー
- 4人
- 掲載している機材
- 40点
サポートメンバーを含む場合があります。
ZAZEN BOYS(ザゼンボーイズ)は、向井秀徳を中心に2003年に東京で始動した日本のロックバンド。編成は向井秀徳(ボーカル、ギター、キーボード)、吉兼聡(ギター、サンプラー)、MIYA(ベース)、松下敦(ドラムス)の4人で、この顔ぶれは2018年7月以降のものである。自身のレーベルであるMATSURI STUDIOを拠点に、作品制作と国内外でのライブ活動を続けている。
向井秀徳は1990年代から2000年代初頭にかけてNUMBER GIRLでギターとボーカルを担当しており、同バンドの解散を経て2003年にZAZEN BOYSを始めた。始動時のメンバーは、向井のほか、NUMBER GIRLでも共に活動していたアヒトイナザワ(ドラムス)、日向秀和(ベース)、そしてギターの吉兼聡という4人編成だった。最初のライブは2003年8月のRISING SUN ROCK FESTIVALで、フェスの舞台からバンドとしての活動が始まっている。
1stアルバム『ZAZEN BOYS』は2004年に発表され、同じ2004年のうちに2作目『ZAZEN BOYS II』が続いた。以降の作品は、『ZAZEN BOYS III』(2006年)、『ZAZEN BOYS 4』(2008年)、『すとーりーず』(2012年)と、数年おきのペースで重ねられている。レーベルのMATSURI STUDIOは向井秀徳が主宰するもので、バンドの制作とリリースの基盤になっている。
『すとーりーず』のあと、オリジナル・アルバムとしては約12年の間隔が空き、6作目『らんど』が2024年1月24日にMATSURI STUDIOからリリースされた。収録は13曲で、「DANBIRA」「バラクーダ」「八方美人」「チャイコフスキーでよろしく」「ブルーサンダー」「杉並の少年」「黄泉の国」「公園には誰もいない」「ブッカツ帰りのハイスクールボーイ」「永遠少女」「YAKIIMO」「乱土」「胸焼けうどんの作り方」という並びになっている。ベースがMIYAに交代してから初めてのスタジオ・アルバムでもあった。2025年3月12日には、後述する日本武道館公演の映像と音源をまとめたBOXセット『MATSURI SESSION AT BUDOKAN』が、Blu-ray1枚とCD3枚の構成で発売されている。
編成はリズム隊を中心に変遷している。ドラムスのアヒトイナザワは2004年12月に脱退し、翌2005年1月に松下敦が加入した。ベースの日向秀和は2007年2月に脱退し、同年3月に吉田一郎が加入。吉田は約10年にわたって在籍したのち、2017年12月をもって離れた。後任のMIYAは2018年7月に加入している。MIYAは沖縄で音楽から離れていた時期に向井から連絡を受け、恵比寿LIQUIDROOMでの出演を経て正式メンバーとなった経緯を、ベース・マガジンのインタビューで語っている。
音楽性は、ロックを土台にファンク、ヒップホップ、ハウスといった要素と即興性を組み合わせたもので、前衛的かつ複雑なアンサンブルが特徴として挙げられる。向井秀徳と吉兼聡によるギター2本の絡み、そこに吉兼が扱うサンプラーが加わる構成が音の骨格をつくっている。歴代ベーシストの資質もサウンドの変化に関わっており、日向秀和はロック・バンドのベーシストとして知られながらヒップホップやR&Bを好み、その感覚がZAZEN BOYSで前面に出た。松下敦が加入した2005年以降はリズム隊のグルーヴ感が増し、2006年の『ZAZEN BOYS III』はその成果を示す1枚として位置づけられている。MIYAはスラップを軸にしてきた奏者で、ZAZEN BOYSでは指弾き主体の奏法へ調整して臨んでいる。
ライブは活動の中心にあり、「MATSURI SESSION」の名を冠した公演・ツアーが繰り返し行われている。MIYA加入後はROCK IN JAPAN FESTIVALやBAYCAMPへの出演を経て、2018年12月から新編成でのツアーが始まった。2024年は6月8日の札幌公演を皮切りに「ZAZEN BOYS TOUR MATSURI SESSION 2024」を実施し、7月26日には恵比寿LIQUIDROOMの20周年企画「MATSURI SESSION LIQUIDROOM 20th ANNIVERSARY」に出演。同年10月27日には、バンドとして初となる日本武道館公演「ZAZEN BOYS MATSURI SESSION」を開催した。武道館公演は2部構成で、3時間を超える長尺のセットが組まれた。
機材面では、フェンダーとの結び付きが具体的に確認できる。2025年2月27日にFender Flagship Tokyoで行われたセッションの公開収録では、メンバーがAmerican Ultra IIシリーズを使用した。向井秀徳はドロップ・チューニングを施したAmerican Ultra II Telecasterと、トレモロ・アームを備えたストラトキャスターを持ち替えて演奏し、約25年前からフェンダーのAmerican Deluxeシリーズを使ってきたこと、Ultra II Noiselessピックアップが低音から高音までまとまることを挙げている。向井が使うテレキャスターについては、ノイズレス・ピックアップへの換装と、3分割式のString Saverブリッジへの交換が紹介されている。
吉兼聡は、リアにハムバッカーを搭載したAmerican Ultra II Stratocaster HSSを使用し、ハムバッカーを弾くのは初めてだったこと、音詰まりが起きず弾きやすいことに触れている。同じ収録ではピッチシフターとディレイを用いた音作りも披露された。ベースのMIYAはAmerican Ultra II Meteora Bassを手にしている。Y-UPでは吉兼聡の使用機材として、American Ultra II Stratocaster HSSのほか、フェンダーのStratocaster、空間系にLine 6のDL4 MkII Delay Modeler、アンプにMarshallのJCM2000 DSL100といった登録を確認できる。歪みを前に出すというより、2本のギターの隙間とディレイの残響で輪郭をつくるアプローチが、ステージ上の機材構成からも読み取れる。
メンバーの別活動としては、脱退したメンバーを含めて動きが多い。アヒトイナザワはZAZEN BOYSを離れたのちVOLA & THE ORIENTAL MACHINEを結成した。日向秀和はストレイテナーやNothing's Carved In Stoneで活動している。吉田一郎は「吉田一郎不可触世界」名義での活動を行い、2015年に『Apanda』を発表した。MIYAは1998年から続くハードコア・バンドBLEACHのベーシストであり、夫であるTENGANとの385でも演奏している。