若井滉斗(わかい ひろと)は、Mrs. GREEN APPLE のギターを担当するギタリストである。1996年10月8日生まれ。バンドはボーカル/ギターの大森元貴、キーボードの藤澤涼架と若井による3人編成で、若井はメジャーデビュー時から一貫してギター・パートを担っている。アンサンブルの中では、コード・バッキングからリード・フレーズ、アコースティック・ギターまでを一手に受け持つ役回りにあり、楽曲ごとに音色とアプローチを描き分ける組み立てが取られている。 Mrs. GREEN APPLE は2013年に結成され、2015年にEMI Recordsからのミニアルバム『Variety』でメジャーデビューした。以降は毎年オリジナル・アルバムを発表しながらライブ活動を重ね、2019年12月には初の全国アリーナツアー「エデンの園」を開催している。2020年7月8日にベストアルバム『5』をリリースして「フェーズ1」の完結を宣言し、約1年8か月の活動休止に入った。2022年3月に「フェーズ2」の開幕として活動を再開し、2023年には結成10周年と5枚目のオリジナル・アルバム『ANTENNA』を迎えた。2024年には5か月連続でのシングル・リリースとスタジアム・ツアーを行ない、2025年12月31日をもって「フェーズ2」が完結、2026年1月1日から「フェーズ3」が始まっている。若井はこの各期を通じてギタリストとして在籍している。 ギター・マガジンは『ANTENNA』を取り上げた特集で、楽曲ごとに手触りの異なるアレンジを組み立てる若井のギター・プレイを扱っている。2025年8月号では同誌の表紙に単独で登場し、ギタリストとしての音楽的ルーツ、Mrs. GREEN APPLE におけるリード・ギタリストとしての考え方、大森元貴とのクロストーク、使用機材コレクション、テクニックの分析、10年ぶんの全作品をギター視点で読み解くガイドといった内容が組まれた。同号には「青と夏」「ANTENNA」「クスシキ」のギター・スコアも付されている。 機材面では、ギブソンとフェンダーを軸にした複数のエレキ・ギターを場面ごとに使い分けている。中心に据えられているのが Gibson のカスタム・ショップ製、ヒストリック・コレクションの 1959 Les Paul Standard Reissue で、クリーンでの張りと歪ませたときの押し出しを併せ持つ1本として、リア/センター/フロントの各ピックアップ・ポジションを楽曲に応じて切り替えながら使われる。Fender の Custom Shop Stratocaster は、カポタストを用いる楽曲で登場する。この個体はブリッジ・サドルをKTS製のチタン・サドルに、リア・ピックアップを DiMarzio の DP318 Super Distortion T に交換し、ストリング・ガイドには Mastery の MST を用い、トレモロ・スプリングは3本、ブリッジはベタ付けという仕様で組まれている。2022年末に入手した Gibson の ES-335 は1968年製のES-335TDで、スパークル・バーガンディのフィニッシュが経年で退色した個体である。煌びやかなクリーン・トーンを担う役割を持ち、ネックをわずかに順反り気味へ調整することで音の奥行きと太さを引き出している。使用頻度は高くないものの、軽やかな響きが求められる場面では Rickenbacker の 360(Deluxe Thinline)も持ち出される。Y-UPでは、これらに加えて Fender の Telecaster や American Ultra II Stratocaster なども使用機材として確認できる。 アコースティック・ギターは、20歳のときに入手した Taylor の 614ce が軸となっている。高域の粒立ちと繊細な鳴りを併せ持つ個体で、通常より細めのゲージを張って扱われる。サブとして K.Yairi の DY-18 も同じ弦・同じセッティングで用意されており、取材時点ではリハーサル用として使われている。弦は、エレキ・ギターが GHS の Progressives のライト・ゲージ(.010〜.046)、アコースティック・ギターが Elixir の NANOWEB 80/20 Bronze のエクストラ・ライト(.010〜.047)。ピックは Jim Dunlop の Tortex Wedge を0.60mm厚で使用している。 ライブのサウンド・システムは、Kemper の Profiler を核に組まれている。クリーン系にはマーシャルやMatchless、ドライブ系にはDiezel、Mesa/Boogie、Soldanoといったアンプのプロファイルを割り当て、1台で複数のアンプ像を賄う設計である。これを Free The Tone の ARC-4 でコントロールしており、筐体にはCLEAN、CRUNCH、DRIVE、SOLO、DIST、DRIVE+DLY、DRIVE+MODという7種類のプリセット名が貼られ、楽曲ごとに呼び出される。Kemperから出た信号は Synergy Amps の SYN-5050 パワー・アンプで最終的な質感を整えられ、Celestion G12H を搭載した Rivera の Silent Sister キャビネットへ送られる。足元には、ダイナミクスを整える Wampler の Ego Compressor、空間系として Strymon の TimeLine と BOSS の RV-500、チューナーの Peterson StroboStomp HD、ワウの AMT Electronics WH-1 Japanese Girl Wah が並び、ワイヤレス・システムには Shure の UR4D+ が用いられている。 メーカーとの関わりとしては、2024年にフェンダーの米国製シリーズ「American Ultra II」のグローバル・キャンペーンに起用されている。American Ultra II Stratocaster を弾く映像が同年11月7日にフェンダーの公式チャンネルで公開され、あわせて同社の国内オウンドメディアにインタビューが掲載された。Y-UPでも、このモデルを含む使用機材のほか、One Control の Crocodile Tail Loop や Mad Professor の Sweet Honey Overdrive といった足元まわりの登録を確認できる。
写真は同モデルの一例や代表写真のため、本人の実際の使用モデルとは色やパーツが異なる場合があります。
Gibson
1959 Les Paul Standard Reissueライブやレコーディングのメインを務めるレス・ポール。Gibson Custom Historic Collectionの1959年リイシュー。フレイムメイプル・トップ、ピックアップは純正のまま。配線材はトーン回路をバイパスするフルアップ式に変更されている。
Rickenbacker
360ブラック・フィニッシュのセミアコ。「Utopia」から使用を始め、2022年7月8日のぴあアリーナMM公演でライブ初登場。軽やかなサウンドを求める楽曲などで使用。
Taylor
614ce20歳の時に入手したメインのアコースティック・ギター。ライブのアコースティック・パートで登場することが多く、「Viking」などで使用。弦はエリクサーの80/20ブロンズ、エクストラライトを張っている。
Fender
American Ultra II Stratocasterソーラー・フレアのボディ・カラーが目を引くストラト。アルミニウム製ピックガード、S-1スイッチ、テーパード・ネックヒールを備える。バッキングからソロへ移る際にS-1スイッチを使用。
Fender
Custom Shop Stratocasterデビュー当初からのメイン・ギター。ブラック・ボディに赤べっ甲柄のピックガード、メイプル指板。ブリッジ・サドルはKTS、ストリング・ガイドはMastery、リア・ピックアップはDiMarzioへ交換。カポを装着する楽曲などで使用。
Fender
Custom Shop Stratocasterブラックのヘヴィ・レリック仕様のカスタムショップ製ストラト。ローズウッド指板で、12フレットには稲妻マークのインレイが入る。ヴィンテージ・スタイルのケースに収められた1本。Instagramで確認できる。
K.Yairi
DY-18サブのアコースティック・ギター。リハーサルでスタンバイされている1本で、弦やセッティングはメインの614ceと同様。
Gibson
ES-335 (1968)1968年製のセミアコ。スパークル・バーガンディのフィニッシュが経年劣化で退色し、ブラウンに近い色味に変化した個体。2022年末に入手し、メインのレス・ポールに次ぐ頻度でライブやレコーディングなどで使用。
Fender
Telecasterレッド・フィニッシュのテレキャスター。ブラックのピックガードにローズウッド指板の仕様。「ライラック」の弾いてみた動画で確認できる。
Synergy Amps
SYN-5050Kemperとスピーカー・ボックスの間に接続されるステレオ・パワーアンプ。Kemperで作られたサウンドを最終的に整える役割を担う。
Rivera
Silent Sisterラック・システムのサウンドを最終的に出力するアイソレーション・スピーカー・ボックス。内部には12インチのCelestion製スピーカーが1発組み込まれている。
BOSS
CH-1 Super Chorusステレオ・コーラス。2015年のペダルボードに配置されていた。
Valeton
Comprince Vintage Compressorコンプレッサー。2015年のペダルボードの右端に配置されていた。
BOSS
DD-7 Digital Delayデジタル・ディレイ。2015年のペダルボードの左下に配置されていた。
Wampler
Ego Compressor音色のダイナミクスを整えるためのコンプレッサー。ラックのドロワーに収められ、ARC-4にループ接続されている。
Mad Professor
Fire Red Fuzzレッドの筐体のファズ。2015年のペダルボードに配置されていた。
TC Electronic
Flashbackディレイ。2015年のペダルボードに配置され、BOSSのDD-7と並べて使われていた。
One Control
Granith Grey BoosterBJF設計のブースター。2015年のペダルボードに配置されていた。
Kemper
Profilerライブの基本となる音色をすべて作るアンプ・シミュレーター。クリーンはマーシャルやMatchless、ドライブはDiezel、Mesa/Boogie、Soldanoなどのモデリングをおもに使用。ラックに設置。
BOSS
RV-3 Digital Reverb/Delayデジタル・リバーブ/ディレイ。2015年のペダルボードの左端に配置されていた。
BOSS
RV-500リバーブ。ラックのドロワーに収められ、ARC-4にループ接続されている。テックが直接操作してプリセットを切り替えている。
Peterson
StroboStomp HDストロボ・チューナー。ステージ上のペダルボードに配置され、ワイヤレスの受信機とワウの間に接続されている。
Mad Professor
Sweet Honey Overdriveナチュラルな歪みが得られるオーバードライブ。2015年のペダルボードに配置されていた。
DigiTech
TR-7 Tremolo/Rotaryステレオ仕様のトレモロ/ロータリー。2015年のペダルボードに配置されていた。
BOSS
TU-3 Chromatic Tunerクロマチック・チューナー。2015年のペダルボードでは441Hzの表示ラベルを貼って使用していた。
Strymon
TimeLine空間系マルチ・ディレイ。ラックのドロワーに収められ、MIDI接続はせずテックが直接操作してプリセットを切り替えている。
AMT Electronics
WH-1 Japanese Girl Wahパープルの筐体が特徴のオプティカル方式のワウ。2015年のペダルボードから使い続けており、2023年のアリーナ・ツアーでもステージ上の足元に配置されている。
Mastery Bridge
MSTウイング形状のストリング・ツリー。カスタムショップ製ストラトのストリング・ガイドを交換する形で取り付けられている。
DiMarzio
Super Distortion Tハムバッカー・タイプのピックアップ(DP318)。カスタムショップ製ストラトのリア・ピックアップとして交換搭載されている。
Free The Tone
ARC-4プログラマブル・スイッチャー。CLEAN、CRUNCH、DRIVE、SOLO、DIST、DRIVE+DLY、DRIVE+MODの7種類のプリセットでKemperなどを制御する。操作はテックが行なう。
One Control
Crocodile Tail Loopプログラマブル・ループ・スイッチャー。2015年のペダルボードで、並べられたペダルをまとめて制御していた。
One Control
Distroパワーサプライ。2015年のペダルボードの電源として、ボード上段に配置されていた。
Elixir
NANOWEB 80/20 Bronzeアコースティック・ギター用のコーティング弦。音の輪郭をハッキリさせるため、細めのエクストラライト(.010〜.047)をチョイスしている。
Vital Audio
Power Carrier VA-08 Mk-II8個の出力口すべてで500mA以上の供給が可能な大容量パワーサプライ。ラック・システムの電源に使用。
GHS
Progressivesエレキ・ギター用の弦。ライトゲージ(.010〜.046)を、レス・ポール、ストラト、ES-335、リッケンバッカーのすべてに張っている。
Jim Dunlop
Tortex Wedge0.60mm厚のピック。アコースティック・ギターのフレットに挟んでスタンバイされている。
Shure
UR4D+ワイヤレス・システム。ギター本体に取り付けた子機からの信号を受け、ラック・システムの入り口となる。2023年のアリーナ・ツアーなどで使用。
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