the LOW-ATUS
- メンバー
- 2人
- 掲載している機材
- 30点
サポートメンバーを含む場合があります。
the LOW-ATUS(ザ・ロウエイタス)は、細美武士とTOSHI-LOWの2人によるアコースティック編成のユニットである。細美武士はELLEGARDEN、the HIATUS、MONOEYESで歌とギターを担当するミュージシャンで、TOSHI-LOWはBRAHMANとOAUのボーカリスト。the LOW-ATUSでは二人ともボーカルとアコースティックギターを受け持ち、2本のアコースティックギターと2つの声で演奏する弾き語りの編成をとる。楽曲は日本語で歌われ、1stアルバムには「ロウエイタスのテーマ」と題した曲も収められている。
活動の出発点は2011年3月11日の東日本大震災にある。二人はそれぞれのバンドの活動を続けながら、被災地を中心とした支援活動と弾き語りのライブを重ね、フェスなどでの共演も重なるうちに、自然発生的に二人組としての活動が始まった。そのためthe LOW-ATUSには「この日に結成した」と区切れる明確な起点がなく、震災後の現場で歌い続けた時間そのものがユニットの成り立ちになっている。この時期のレパートリーは、反戦歌や社会的な内容を持つ既存曲のカバーが中心だった。
音源としてまとまったのは、震災から10年が経った2021年である。同年5月14日に1stアルバム『旅鳥小唄 / Songbirds of Passage』の発売が告知され、同日に収録曲「サボテン」が先行配信された。6月4日には「通り雨」の先行配信が始まり、6月8日に同曲のミュージックビデオが公開されている。アルバム本体は2021年6月9日にIMPLODEからCDでリリースされた(品番IPLD-0001)。同年7月17日には、Record Store Dayの企画に合わせたアナログLP盤(IPLD-0002)も発売されている。
『旅鳥小唄 / Songbirds of Passage』は全11曲で、「通り雨」「サボテン」「空蝉」「思草」「ダンシングクイーン」「みかん」「オーオーオー」「丸氷」「君の声」「ロウエイタスのテーマ」「いつも通り」が収録されている。全編が日本語で歌われ、先行配信された「サボテン」と「通り雨」の2曲はミュージックビデオも制作された。
制作のきっかけになったのはTOSHI-LOWが書いた「通り雨」で、この曲は当初からthe LOW-ATUSの楽曲として構想されたものではなく、断片的なフレーズの段階から時間をかけて形になっていった。そこから「お互いに2〜3曲書こう」という程度の話で作業が始まり、結果的にフルアルバム1枚分の新曲が揃った。カバーを軸にしてきたユニットが、自分たちのオリジナル曲を持つ集団へ移った作品にあたる。レコーディングは酒を酌み交わしながら進められた。
ユニット名義での客演もある。LOW IQ 01が2022年12月14日に発表したアルバム『Adjusted』では、収録曲「Starting Over」にthe LOW-ATUSとして参加している。
音楽性は、エレクトリックなバンド編成を本業とする二人の活動とは切り離された、アコースティックギターと歌を中心とするフォーク/弾き語りに軸足がある。歌われる題材には東北の風景や被災地で見聞きしたものが反映されており、「空蝉」では夏祭りの情景が描かれる。一方でユーモアや遊びの要素も残されており、「ダンシングクイーン」「みかん」といった曲が並ぶ。
ライブ活動では、アルバムに合わせた「旅鳥小唄ツアー2021」を開催し、2021年7月2日には新木場のUSEN STUDIO COASTで公演を行った。続いて「旅鳥小唄ツアー2022」が組まれ、石巻や仙台などを回っている。フェスティバルやイベントへの出演も多く、SONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2023-、ARABAKI ROCK FEST.23、New Acoustic Camp 2023、MASTER OF MUSIC 2023などに出演した。福島県いわき市の「ASYLUM in Fukushima」「いわき万本桜 春祭」といった、震災後の活動と地続きの場にも継続的に出ており、2026年4月12日にはいわき回廊美術館での「いわき万本桜 春祭2026」への出演が告知されている。
機材は、アコースティックギターの鳴りをそのままステージに出すための構成が取られている。2021年のツアー時点で、TOSHI-LOWはYamahaのLL-25Jを弾いており、使われていたのは1991年製の個体だった。ピックアップにはSunriseのS-2を組み込み、足元にはTC ElectronicのPolyTune 2、VahlbruchのChorus Acoustic、Neunaber Audio EffectsのImmerse Reverberatorが並び、電源はOne ControlのDistroで供給されていた。カポはG7thのPerformance Capo、ピックはJim DunlopのTortex Standardの1.14mm、ボーカルマイクにはAudixのVX5が使われている。
細美武士は同じ時期、アコースティックギターにMartinのGPCPA2 Mahoganyを使用していた。ハウリング対策としてPlanet WavesのPW-SH-01をサウンドホールに装着し、カポも同社のNS Tri-Action Capoを用いる。ピックはFenderの346シェイプのもの。信号はSonic ResearchのTurbo Tuner ST-200とNeunaber Audio EffectsのChroma Stereo Chorusを経由し、RadialのPro D2でステレオのままDIされる構成で、パワーサプライにはCustom Audio JapanのPower Blocks PBHUB6-Cが使われていた。ボーカルマイクはBlueのenCORE 300。なお2021年7月2日の公演では、TOSHI-LOWのLL-25Jにトラブルが起きたため、細美武士のMartin GPCPA2 Mahoganyを借りて演奏する場面があった。
Y-UPの登録情報からは、これ以外の機材も確認できる。TOSHI-LOWでは、FishmanのPrefix Pro Onboard Preamp、One ControlのLittle Green Booster、MalekkoのEkko 616、StrymonのBigSky、Rupert Neve DesignsのRNDI、K.YairiのBOY2などが登録されている。細美武士ではバンドでの活動分を含めた登録があり、FenderのClassic Celluloid 346 Shape、Gibsonの1959 Les Paul Standard Reissue、DiezelのHerbert MKIなどが並ぶ。
メンバーの別活動として、細美武士はELLEGARDEN、the HIATUS、MONOEYESに、TOSHI-LOWはBRAHMANとOAUに参加している。the LOW-ATUSはこれらのバンドと並行して続けられているユニットである。