楢﨑誠は、4人組バンドOfficial髭男dismでベースを担当するミュージシャンである。バンドの公式なメンバー表記は「Ba/Sax」で、ベースと並行してサックスを吹き、シンセサイザーやコーラスも受け持つ。1989年3月18日生まれ、広島県福山市の出身。低音の土台を組み立てながら、管楽器やシンセサイザーの音色も自ら加えるという、編成の中で複数の役割を兼ねる立ち位置にいる。 広島県立神辺旭高等学校を経て、島根大学に進学した。ベースを手にしたのは16歳の頃で、友人に誘われたことがきっかけだった。音楽の教員免許を取得しており、嘱託職員として島根県警察音楽隊でサックスを演奏していた時期もある。ベースとサックスという二つの楽器を扱う経験は、バンドでの活動が本格化する以前に積まれている。 Official髭男dismは、島根大学の軽音楽部で出会ったメンバーを中心に、2012年6月7日に結成された。編成は藤原聡(ボーカル、ピアノ)、小笹大輔(ギター)、楢﨑誠(ベース、サックス)、松浦匡希(ドラム)の4人。2015年にミニアルバム『ラブとピースは君の中』でインディーズデビューし、2018年にはテレビドラマ主題歌となった「ノーダウト」でメジャーデビューを果たした。 ベースとサックスの持ち替えに加え、エレクトリック・ベースとシンセベースの使い分けも楢﨑の演奏の軸になっている。ベース・マガジン2023年8月号では、この「エレベ/シンベ二刀流」を主題とした特集が組まれ、新井和輝との対談とともに、両者のプレイと機材が取り上げられた。フレーズづくりでは音価のコントロールを重視し、楽曲のセクションの違いを音の長さだけで表現するという組み立て方を取る。ドラムを支える位置に留まったまま曲を展開させる設計や、大きな会場では低音が反響して音像が濁りやすいことを踏まえ、輪郭のはっきりしたシンプルな演奏を選ぶという判断も、その延長にある。 使用するベースはFenderが中心で、1963年製のJazz Bassと1965年製のPrecision Bassというヴィンテージの2本が核になっている。これに加えて、半音下げチューニング用にCustom Shop Jazz BassとRoad Worn '50s Precision Bassを併用する。Alleva-Coppoloのベースも所有している。アンプはOrangeを軸としており、ヘッドにAD200B MK3を2台、キャビネットにはOrangeのOBC115やAmpegのPN-115HLFといった15インチ1発のモデルを組み合わせる。 ライブのベースシステムは、Free The Toneの協力のもとに組まれたラックが中心となっている。音の分岐と切り替えを担うのはオーディオ・ルーティング・コントローラーのARC-4で、そのループには10バンドEQのPA-1QB、Limetone AudioのFOCUS、Darkglass ElectronicsのSuper Symmetryといったイコライザーやコンプレッサーが接続される。歪み系はPike AmplificationのVulcan Bass Overdrive、Free The ToneのBlack Vehicle BV-1V、Darkglass ElectronicsのAlpha Omegaが並び、これにLine 6のHX Stompが加わる。足元のペダルボードはARC-4のスイッチャーとチューナーのみという簡潔な構成で、操作系と音響系を分離している。 このシステムの設計上の特徴は、複数のダイレクト・ボックスを内蔵し、エフェクトを通さないドライ音と、処理を経たウェット音をそれぞれ独立してPAへ送る点にある。DIにはAKIMA&NEOSのMulti Tube D.I.を2台使い、シンセサイザー用にはA-DesignsのREDDIを立てる。ワイヤレスはShureのAD4Dを用い、Free The ToneのFC-391 Wireless Input Selectorで入力を切り替える。電源系にはFOOL'S GOLDのTXF-2600、FurmanのPL-Plus DMC、Free The ToneのPT-5Dが組み込まれ、配線にはCU-5050やCUI-6550といったケーブルと、ソルダーレスプラグのSL-5が使われている。Y-UPにも、こうしたスイッチャーやケーブル、電源のほか、APIのBass TranZformer LXなどが使用機材として登録されている。 シンセベースにはMoogのMinimoog Voyagerをステージに置き、A-DesignsのREDDIを介して出力する。エレクトリック・ベースの生々しい低音と、アナログ・シンセの太い低音を曲ごとに使い分けるほか、サックス奏者としてもライブで演奏する場面がある。影響を受けたベーシストとしては、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー、ヴルフペックのジョー・ダート、そして亀田誠治の名を挙げている。
写真は同モデルの一例や代表写真のため、本人の実際の使用モデルとは色やパーツが異なる場合があります。
Fender
Custom Shop Jazz Bassフェンダー・カスタムショップ製のジャズベース。半音下げチューニングの楽曲用として使用。
Fender
Jazz Bass (1963)1963年製のフェンダー・ジャズベース。サンバースト・フィニッシュ、ローズ指板で、パーツ類はオリジナルが残る個体。メインベースとして「HELLO」「パラボラ」のレコーディングなどで使用。
Fender
Precision Bass (1965)1965年製のフェンダー・プレシジョンベース。サンバースト・フィニッシュ。1963年製ジャズベースと並ぶメインのベースとして使用。
Fender
Precision Bass (1956)1956年製のオリジナル・プレシジョン・ベース。ヴィンテージのプレベとして所有する個体。
Fender
Road Worn '50s Precision Bass'50年代仕様のレリック加工が施されたプレシジョンベース。半音下げチューニングの楽曲用として使用。
Orange
AD200B MK3フルチューブのベース・アンプ・ヘッド。同型を2台スタックしてステージに設置し、ライブなどで使用するメインのアンプ・ヘッド。
Orange
OBC11515インチ1発のベース・キャビネット。AD200B MK3と組み合わせて使用。
Ampeg
PN-115HLFネオジム・スピーカーを積んだ15インチ1発のベース・キャビネット。2台をステージに配置し、2024年のアリーナツアーで使用。
Darkglass Electronics
Alpha OmegaAlphaとOmegaの2系統の歪み回路をブレンドできるベース用ディストーション。XLRのダイレクト・アウトを備え、ラック2段目のドロワーに配置。
API
Bass TranZformer LXEQ、コンプレッサー、D.I.を1台にまとめたベース用のトーン・シェイピング・ペダル。ペダルボード上で確認できる。
Free The Tone
Black Vehicle BV-1VHTS回路を搭載したベース用オーバードライブ。PRE BOOSTとPOST BOOSTを備え、ラック2段目のドロワーに配置。
Limetone Audio
FOCUSコンプレッサー。ラック最上段のドロワーに配置し、ARC-4のエフェクトループに接続して使用。
Line 6
HX Stompコンパクトなマルチエフェクト/アンプシミュレーター。ラック3段目のドロワーに単体で配置されている。
AKIMA&NEOS
Multi Tube D.I.チューブD.I.。2台を使用し、ベースのドライ音とエフェクターを通したウェット音を個別にPAへ送る構成。
Free The Tone
PA-1QBプログラマブル・アナログ10バンドEQ。ARC-4のエフェクトループに接続。レコーディングでローを足す用途などでも使用。
A-Designs
REDDIオールチューブのD.I.ボックス。メインラックの裏側にマウントし、ステージ上のMinimoog Voyager用として使用。
Darkglass Electronics
Super Symmetryベース用のアナログ・コンプレッサー。ラック最上段のドロワーに置かれ、ARC-4のエフェクトループに接続されている。
Pike Amplification
Vulcan Bass Overdriveベース用のオーバードライブ。赤い筐体のペダルで、ラック2段目のドロワーの右端に配置。
Moog
Minimoog Voyagerステージ上でプレイするアナログ・シンセサイザー。A-DesignsのREDDIをD.I.として組み合わせて使用。
Shure
AD4Dデジタル・ワイヤレスのレシーバー。メインラック上部、パワーディストリビューターの下に配置。
Free The Tone
ARC-4オーディオ・ルーティング・コントローラー。20Uラック最上段のドロワーに配置し、システムの中核としてエフェクトのON/OFFとルーティングを制御。
Free The Tone
ARC-4立ち位置のペダルボードに置かれる2台目のARC-4。ラック内の1台とスレーブ接続し、SPECIAL/EQ/DRIVE/COMP/NORMALを足もとで切り替える。
Free The Tone
CU-5050エフェクターの配線に使用する楽器用ケーブル。ソルダーレスプラグのSL-5と組み合わせてラック内を配線している。
Free The Tone
CUI-6550楽器用ケーブル。ARC-4とAKIMA&NEOSのD.I.の接続に使用している。
Free The Tone
FC-391 Wireless Input Selectorベース用に設計・製作されたカスタムのインプットセレクター。フロント入力と2系統のワイヤレス入力を切り替え、メインラック上部に配置。
Furman
PL-Plus DMCパワーディストリビューター。メインラックの最上部に組み込まれている。
Free The Tone
PT-5Dパワーサプライ。最上段ドロワーの奥に配置し、エフェクターとARC-4のACアダプターへ電源を供給する。
Free The Tone
SL-5CU-5050に対応するソルダーレス・プラグ。配線スペースと変更のしやすさを考慮して主に使用。
FOOL'S GOLD
TXF-2600アイソレーション電源ユニット。アンプ・ヘッドの右側に設置され、2024年のアリーナツアーのシステムで確認できる。
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