緑黄色社会
- メンバー
- 4人
- 掲載している機材
- 52点
サポートメンバーを含む場合があります。
緑黄色社会(りょくおうしょくしゃかい)は、愛知県で結成された4人組のバンド。長屋晴子(ボーカル、ギター)、小林壱誓(ギター)、peppe(キーボード)、穴見真吾(ベース)という男女2人ずつの編成で、ポップスとロックをまたぐ楽曲を、鍵盤を前面に出したアレンジと長屋の伸びやかな歌声で聴かせる。「リョクシャカ」の略称でも呼ばれ、自身のツアータイトルにもこの呼び名が使われている。
母体になったのは、名古屋市にある中京大学附属中京高等学校の軽音楽部である。長屋晴子と小林壱誓は入学前からSNS上でつながっており、プロフィールに音楽の趣味を書いていた相手を互いに見つけたことが知り合うきっかけだった。当初は小林もボーカルを志望していたが、部室で長屋が口ずさむのを耳にして役割が決まり、長屋がボーカルを担う形に落ち着いた。peppeは、同じ高校に進む相手として長屋がSNSでフォローしていた一人で、入学式で顔を合わせた際に誘われて加入している。オリジナル曲を作り始めた時期にベーシストが部を離れたため、小林が幼馴染みの穴見真吾に声をかけ、以後の顔ぶれがそろった。穴見が加わって初めてライブを行った2012年7月4日を、バンドは結成記念日としている。
バンド名は、長屋が飲んでいた野菜ジュースを見た小林が口にした「緑黄色野菜」という言葉を、ほかのメンバーが「緑黄色社会」と聞き違えたことに由来する。活動を本格化させる後押しになったのは、2学年上の先輩が10代限定のオーディション・イベント「閃光ライオット」のファイナルに進み、その舞台である日比谷野外大音楽堂でのステージを客席から見た経験だった。そして2013年、メンバー全員が高校3年生だった年に自分たちも同イベントに出場し、1万通を超える応募の中から準グランプリを獲得している。なお結成時の編成にはドラマーの杉江泰周が含まれていたが、杉江は2015年12月に脱退し、以降は長屋・小林・peppe・穴見の4人で活動している。ドラマーを固定で置かない編成になったことは、鍵盤とベースが曲の骨格を受け持つアンサンブルにも結び付いている。
音源はインディーズ期から積み上げてきた。2017年1月にミニアルバム『Nice To Meet You??』、同年8月に『ADORE』を発表し、2018年3月にはバンド名を冠したアルバム『緑黄色社会』をリリース。そして2018年11月、エピックレコードジャパンから3枚目のミニアルバム『溢れた水の行方』を発表してメジャーデビューを果たした。翌2019年11月には、メジャー移籍後初のCDシングルとして「sabotage」を発売している。
広く名前が知られるようになったのは、映像作品との結び付きが重なってからである。2020年2月発売の「Shout Baby」はテレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』第4期のエンディングテーマに起用され、同年9月のアルバム『SINGALONG』に収録された「Mela!」は、ダリヤのヘアカラー製品のCMソングや日本テレビ『スッキリ』のテーマソングとして流れ、配信で大きく再生数を伸ばした。2021年2月の「結証」はテレビアニメ『半妖の夜叉姫』のエンディングテーマとなっている。
その後も、2022年1月にアルバム『Actor』、2023年5月にアルバム『pink blue』を発表。2023年9月発売の「サマータイムシンデレラ」はフジテレビ系ドラマ『真夏のシンデレラ』の主題歌に、同年12月発売の「花になって」はテレビアニメ『薬屋のひとりごと』のオープニングテーマに起用された。2025年2月にはアルバム『Channel U』をリリースしている。
曲づくりは分業ではなく、4人がそれぞれ作曲を手がけ、共作も多い。作詞は長屋が中心となって書く。ギター1本にキーボードという編成のため、peppeのピアノやシンセサイザーが和音の土台と色付けを引き受け、小林のギターは歌のメロディと衝突しない位置に置かれることが多い。小林は、曲を繰り返し聴き込んでほかの楽器の動きを把握したうえで自分のフレーズを決めるという組み立て方をとる。長屋自身もギターを弾くため、曲によってはギター2本の音像になる。
ライブの節目としては、2022年9月16日と17日の日本武道館公演「緑黄色社会 × 日本武道館 “20122022”」が挙げられる。結成年の2012と開催年の2022を並べたタイトルで、17日の公演を収めた映像作品が2023年1月に発売され、これがバンドにとって初のライブ映像商品となった。2023年5月から7月にかけてのホールツアー「pink blue tour 2023」は全公演がソールドアウトし、同年12月からは東京・名古屋・大阪をまわるアリーナツアー「リョクシャ化計画2023-2024」を開催。2023年には、かつて準グランプリを得た「閃光ライオット」にゲストアクトとして出演している。
音作りの面で情報が多いのは小林壱誓である。ライブとレコーディングの双方で軸になっているのは赤いFenderのAmerican Professional Telecasterで、汎用性の高さを理由に選んでいる。加えて、P-90を2基積んだペルハム・ブルーのGibson Les Paul Classicを、王道のレスポール的な鳴りと歌への馴染みを求めて併用する。アンプはFriedmanのBE-50 Deluxeのヘッドを2台とBognerの2×12キャビネットという組み合わせで、マーシャル系の質感を土台にしている。
足元はFree The ToneのARC-4を核にしたプログラマブル・スイッチャー方式で、歪みを複数並べて曲ごとに切り替える構成をとる。Greer AmpsのSouthland Harmonic Overdrive、VemuramのJan Ray、J. Rockett Audio DesignsのThe Jeff Archer、320designのBrown Feather、SuhrのEclipseといったオーバードライブ/ディストーションが並び、Gamechanger AudioのPlasma Pedal、DigiTechのWhammy Ricochet、Line 6のHX Effectsが飛び道具と空間系を担当する。入口にはShin's MusicのBaby Perfect Volume StandardとXoticのXW-1、チューナーにPetersonのStroboStomp HD、電源にはK.E.SのKIP-001とFree The ToneのPT-5Dが置かれている。
ベースの穴見真吾はFenderのジャズベースを軸にしており、American Ultra II Jazz Bassのノーブル・ブルー個体を弾く姿が確認できる。アンプにはOrangeのAD200B MK3を使い、太く芯のある低音でアンサンブルの土台を作る。Y-UPには、Player Plus Precision Bass、1966 Jazz Bass Journeyman Relic、American Vintage '64 Jazz Bassといったベースのほか、OrangeのOBC115やOBC410のキャビネット、Tech 21のSansAmp Bass Driver DI、MXRのM80 Bass D.I.+やM108 Ten Band EQ、EBSのMultiCompなど、足元と出力段の機材も登録されている。
長屋晴子は、セミホロウ構造のBlast Cult Marquisや、ライブで多用しているFenderのAmerican Acoustasonic Telecasterなど、丸みのある鳴りとアコースティック寄りの音色を出せる楽器を選ぶ傾向がある。Y-UPでは、Player Plus TelecasterやAmerican Performer Mustang、Jazzmaster、Stratocaster、American Performer Telecaster Humといった機材も確認できる。peppeについては、YamahaのCP1やCP88、NordのNord Electro 5D、RolandのRD-800やJUNO-Di、KORGのminilogue、BehringerのDeepMind 12、ArturiaのMiniBrute 2などが登録されており、生ピアノ寄りの音色とアナログ/デジタルのシンセを併用していることがうかがえる。小林と穴見は、FenderのAmerican Ultra II TelecasterやAmerican Ultra II Jazz Bassを取り上げたメーカー媒体の企画にも登場している。